あらためて、にっぽん丸で家族の夏旅
今夏「魔法の船」と化した「にっぽん丸」のファミリークルーズに参加した。
どこまでも続く水平線を見たら、どんなに気分がスカッとするだろう。船体の波切る音が時折、耳元によみがえる……。こうなったら居ても立っても居られない。この夏、家族でにっぽん丸への乗船を決めた。
今回のクルーズは「ファミリークルーズ~マジックフェス!~」と題し、船内が丸ごとマジックフェスティバルになるという趣向だ。夏祭りなどのイベントが軒並み中止になった娘に、何か一つくらい夏らしい体験をさせてやりたい、そんな思いもあった。
偶然にも乗船日は、にっぽん丸の約3カ月ぶりの運航再開日と重なった。感染症対策をさらに強化し、乗船約1週間前のPCR検査に加え、乗船当日にもPCR検査(出航日によっては抗原検査)を実施するという。
乗船前に横浜市内にあるホテルに集合し、検査を受けた。幼児でも自分でできる簡単なもので、あっという間に完了。結果が出るまで約4時間。そのあいだ、ミニコンサートやマジック、落語の上演、軽食の提供があった。
心配された台風8号も進路を逸れ、検査結果が出るころには、すっかり晴れ間が戻ってきた。家族全員「低リスク」の判定が出てホッとする。同じく結果の出た乗客が10人ずつバスに乗り込み、大さん橋へと向かう。何より、自分自身を含め、周りの全員が検査済みというのは、安心感が各段に違う。
感染症対策のため、いまは紙テープ舞う華やかな出航セレモニーはないが、結果待ちの緊張が解けたのも手伝ってか、出航前のわくわく感はいつも以上だ。
乗船して早速、「ダイニング『春日』」へ。久しぶりのにっぽん丸のディナーは、目にも華やかな和食だ。子供用には「セーラーキッズディナー」が用意されており、一部は大人のものと同じだが、子供の好きな海老フライなどもある。「ベーコンとピース豆の炊き込みご飯」が小さめのおにぎりに握ってあり、子供への優しいまなざしが感じられてうれしい。
ディナー後には若手の次世代マジシャンたちによるショーがあり、笑いを織り交ぜたハイレベルなマジックに目を見張った。明日からのイベントが楽しみだ。