【今こそ乗りたい!多彩なフェリー】フェリーさんふらわあ「さんふらわあ基準」で安全、そして優雅なカジュアルクルーズ
全国津々浦々をゆったりとめぐる選択肢としてフェリーを検討している人も多いだろう。
船は電車やバス、飛行機に比べて一人当たりのスペースが広く、その空間は密になりにくいという利点がある。
上級客室になると、広々とした優雅な個室を備えたフェリーも少なくない。
カーフェリーではマイカーともども乗船することもできる。
定期運航していて、思い立ったら気軽に乗れるのもフェリーの良さだ。
こんな時代だからこそ、多彩なフェリーに乗ってみたい──
そんな方に向けて、特徴あるフェリー会社を紹介していこう。
フェリーさんふらわあでは志布志航路に新造船がデビューして3年。
以来、高い人気を誇っている。安全で快適なカジュアルクルーズで九州へ。
「さんふらわあ基準」をご存じだろうか。大阪〜別府、神戸〜大分、大阪〜志布志(鹿児島)と、関西と九州を結ぶ3つの航路を持つフェリーさんふらわあ。就航する6隻の船内はいま、医療機関レベルの空気清浄度を維持する努力がなされている。
一般社団法人日本旅客船協会が定める新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン。これを遵守することに加え、フェリーさんふらわあでは独自の予防対策を定めている。それが「さんふらわあ基準」だ。
●徹底した感染症対策
具体的には、これまで抗菌・抗ウイルスフィルターならびに業務用空気清浄機などを全船に導入するなどの取り組みを行ってきた。そして昨年11月から全船に抗菌・抗ウイルスコーティング加工を実施している。
それはアルコールや塩素の一過性の効果ではなく、暗灯内で長時間働き続ける「リン酸チタニア」を主成分とした人体に無害なウイルス不活性化剤「エコキメラ」を使用したもの。パブリックスペース(レストラン、サロン、キッズスペース、大浴場、売店、トイレ、プロムナード、通路など)および一部客室の手すり、ドアノブ、家具、調度品、機器類など乗客が直接手で触れる場所に塗布施工を行った。これによりコロナ感染予防の精度が高まり、しかも長時間の効果を保てる。
その上で、船内では万全の感染症対策を実施している。キッズルームではおもちゃ類を撤去。ただし、アニメの放映は継続し、室内には加湿空気清浄機と除菌ウエットティッシュを設置した。
売店ではバイオマス素材配合の環境に配慮したレジ袋を使用、無料で配布することで接触機会を減らす。そのほか展望浴室は利用者で密にならないように、時間帯別の混み具合が一目でわかる掲示を行う。レストランでは飛沫防止用のシートが貼られたり、抗菌マスクケースを配布するなど、その感染症対策は徹底している。
●南国へのカジュアルクルーズ
大阪で志布志行きに乗り込んだ。アトリウムでは国内フェリー初のプロジェクションマッピングの演出がなされている。客室に向かうのも忘れてしばしその映像に見とれる。やがて、出航を知らせる銅鑼が打ち鳴らされた。響きわたる銅鑼の音を聴いていると、これから始まる船旅への期待がますます高まってくる。一列に並んだスタッフが手を振って見送るなか、船は静かに大阪湾へと船出した。
志布志航路に就航する「さんふらわあ さつま」そして「さんふらわあ きりしま」。いずれも2018年にデビューした新造船だ。この2隻は特に、高い人気を誇っている。その理由の一つが、南国へのカジュアルクルーズを手軽に経験できることだろう。客室をみれば、人気の秘密がわかる。
10室のみの「スイート」には専用バルコニー・バス・トイレ・洗面台などがそろう。もっとも優雅な船旅を演出できる客室だ。「スイートバリアフリー」(バルコニーなし)も2室設定され、車いすの方でもゆったりとした客室での船旅を満喫できる。
40室ある「デラックス」もオーシャンビューでシャワー・トイレ・洗面台付き。ゆったり落ち着ける和室も2室用意されている。ペットと同室で過ごせる「デラックス(ウィズペット)」なら、ペットとの遠出も可能だ。船内には同社初のドッグランも設置されているから、ペットも船内でのびのびと楽しめる。
内側客室にもシャワー・トイレ・洗面台のある「スーペリア」が32室。お一人さまでも気兼ねなく過ごせるのがうれしい。