【船社紹介】キュナード・ライン

英国の歴史と伝統の中で優雅な時間と船旅を満喫

キュナード・ラインの創設は1 839年。カナダ人実業家のサミュエル・キュナード氏が英国と郵便輸送契約を結び、大西洋を横断する船会社を設立。1840年に第1船「ブリタニア」が英国・リバプールからカナダのハリファクス間の航行を始めた。

 

以降、洋上初のバスルームや女性用ラウンジ、図書館、冷蔵庫などを備えた船を次々と就航させる。一方、ライバル会社のホワイトスター・ラインの新造船「タイタニック」が処女航海で沈没するという悲劇を起こした。その生存者7 0 4人を救助したのがキュナードの「カルパシア」だった。

 

その後、キュナードはホワイトスター・ラインを吸収合併。ホワイトスターの社名は消えたものの、同社のサービスの質の高さを引き継ぎ、現在もキュナード内でのサービスの根幹は「ホワイトスター・サービス」と名付けられている。乗組員全員がそのサービス精神と「ホワイトスター・サービス」のバッジを身に付けている。

 

1934年、キュナードの新造船が英国のメリー王妃によって「クイーン・メリー」と命名される。それ以降、女王の名を冠した船が女王や王室関係者によって命名され続けている。

 

現在、キュナードは「クイーン・エリザベス」「クイーン・メリー2」「クイーン・ヴィクトリア」の3隻を擁している。海外の王室はもちろん、日本の天皇陛下や元総理大臣・吉田茂氏など多くの著名人を乗せた唯一の客船会社である。1989年、「クイーン・エリザベス2」は横浜や大阪にホテルシップとしてチャーターされ、優雅な船形や内装、そして西洋的なサービスが多くの日本人を魅了。代替わりした新「クイーン・エリザベス」も高い人気を得て、2019年春に日本周遊クルーズを2本予定している。

 

「クイーン・メリー2」は大西洋横断から始まった同社の歴史を引き継ぎ、今も定期的に大西洋横断クルーズを行っている。3隻の中で一番先に就航した「クイーン・メリー2」は2016年に大改装を終えた。「クイーン・ヴィクトリア」「クイーン・エリザベス」も続けて改装を行う。

 

天井の高いダンスホールや美しい劇場、充実したライブラリー、パブなど英国らしい施設や質の高いサービスは継続しているが、小まめに改装に行うことにより快適な空間づくりは常に続いている。

 

また同社では使用するレストランによって客室タイプが4つに分かれる「カテゴリー制」を創立当初から続けている。基本的なサービスは変わらないが好みや代金によって客室を選ぶことができる。

CRUISE GALLERY
制服に白い手袋でサービスを行うキュナードのクルー。乗客に対して敬意を払い、質の高いもてなしをする。胸には「ホワイトスター・サービス」のバッジが
クイーン・メリー2は客船で唯一「ケンネル」がある客船。大西洋横断の時(英国〜米国間)のみ犬と猫を預けることができる。改装で預けられる頭数も増えた
一人旅を好む乗客からの要望に応え、キュナードの3隻すべてにシングルルームを設置。クルーズ代金は二人分の半額とまではいかないがリーズナブルかつ快適に過ごせる
天井の高いダンスホール「クイーンズ・ルーム」は3隻に。生演奏とともにダンスが楽しめる。午後はアフタヌーン・ティーがここで開かれる。

カテゴリー:カジュアル〜ラグジュアリー(客室タイプによる)
カップル、熟年夫婦、シングル向け
フォーマル度:★★★★★
1泊当たりのクルーズ代金:2万5000円〜
得意なクルーズエリア:世界一周、ヨーロッパ、大西洋
運航隻数:3隻(90,049〜149,215トン)

2017年6月号に掲載
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