驚きの世界一が続々と!
クルーズ客船の世界一、世界唯一は?【数字部門】
他から抜きんでた「世界一」=ナンバーワンと、
その客船にしかない「唯一」=オンリーワンを紹介していこう。
今回は【数字部門】を紹介していく。
構成=クルーズ編集部
保有船社の数と規模で、圧倒的トップに君臨
米国大手のカーニバル・コーポレーションが堂々のナンバーワン。91隻と数字にすると驚くが、傘下のクルーズラインを見れば結果にもうなずける。中核をなすカーニバル・クルーズ・ラインを筆頭にコスタクルーズ、キュナード・ライン、ホーランド・アメリカ・ライン、プリンセス・クルーズ、シーボーンなど。それぞれを見ても、傘下9社中5社が10隻以上の客船を抱える大会社である。
実は、カーニバル・コーポレーションは2020年10月までにグループ全体で計15隻の客船を処分することを発表している。大手船社として肩を並べるロイヤル・カリビアン・グループは、傘下にアザマラ、セレブリティクルーズ、ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)など6ブランドを有しているが、保有客船は合計62隻。同じく大手のノルウェージャンクルーズライン・ホールディングスは3ブランドで28隻。15隻の離脱で、カーニバルグループの運航能力は約10パーセント削減されることにはなるが、それでもこの結果となった。
ちなみに、運航会社単位で見た場合、RCIの26隻がトップだ。
独立系船社が大手に仲間入りするなど、クルーズ業界では吸収や再編成などはままあること。現在、新型コロナの感染拡大により、業界は最大の難局に立たされているなか、今後この勢力図が変わることもあるのかもしれない。
※保有客船数は2020年8月1日現在、船社ホームページに掲載されている客船をカウントしたもの
(ノルウェージャンクルーズライン)
43カテゴリー
乗客のニーズに応えるため客室タイプの細分化、極まれり
乗客数の多い大型船、乗る人が多いほど、家族、3世代、友人同士などそのグループ構成は多様になるもの。近年の大型船は、そのさまざまなニーズに対応するべく、多彩な客室タイプを用意するのが主流となっているが、なかでもノルウェージャンクルーズライン(N CL)は一線を画している。
同社内で最多のカテゴリー数を誇るのが「ノルウェージャン エスケープ」(16万5157トン)、その数43。16万トン型のブレイクアウェイ・プラス・クラス第1船で、その後シリーズ第4船まで就航しているが、客室数が最も多い同船がカテゴリー数も最多であった。
NCLの客室はタイプの豊富さもさることながら、そのユニークさも目を見張るところ。
例えば、お一人さま乗客向け客室「ストゥーディオ」。コンパクトながら一人で過ごすには十分な設備と、一人向けの代金設定で人気が高い。そのほか、上級客室エリア「ザ・ヘブン」を利用できるスイートタイプや、スパを存分に利用したい乗客向けにはスパへのアクセスが良い「スパステートルーム」など。NCLが乗客の希望に寄り添う客室づくりに力を入れてきた結果が、この数に表れているといえる。
もうひとつ、居室のベッドの隣にジャクジーを設置していたり、ベッドが丸型、なんて客室もあったりと、カテゴリーにとどまらない個性もNCL客室の魅力だ。
ワールドクルーズを実施する客船は少なくないが、100〜1 2 0日程度の長さであることが一般的。そのなかで、群を抜いた航海日数を誇るのがオーシャニアクルーズの「インシグニア」(3万2 7 7トン)だ。同船が初めて180日間の世界周遊クルーズを行ったのが2015年のこと。以後、定期的にこの大スケールのクルーズを実施してきており、「180日間のワールドクルーズ」は同船の代名詞となりつつある。
インシグニア自体は約3万トンと小型だが、超ロングクルーズでも乗り飽きないのにはオーシャニアの定評ある食が一役買っているに違いない。毎日食べても飽きのこない絶品と、追加代金不要でスペシャリティー・レストランを利用できる点も大きいだろう。
頭ひとつ抜けているこの数字だが、近い将来、さらに更新されていきそうだ。
最大29.35ノット
現在も大西洋横断クルーズを行う唯一のオーシャンライナーらしく、最大29.35ノットの巡航スピードを出すことができる「クイーン・メリー2」(QM2、14万9215トン)。ただし、サービススピードに限定して比較すると、QM2の26.5ノットに対し、0.5ノット上回る「チャイニーズ・タイシャン」(2万4427トン)に軍配が。どちらも俊足自慢の客船で間違いない。
「セレスティアル・クリスタル」(セレスティアル・クルーズ)
8回
クルーズファンには言わずと知れた、洋上最大のライブラリーを持つ「クイーン・メリー2」。もちろんその蔵書数も同船がナンバーワン。進めど進めど天井から床までを本が埋め尽くす空間を見れば、誰もが納得するところだろう。日本語の書籍も置いているが、自力で探しだすのは至難の技かも(写真はクイーン・ヴィクトリアのライブラリー)。