くつろぎと美食を携えて
ラグジュアリーの“極み”、アジアへ
過去に雑誌でご紹介したクルーズレポートをお届け。
今回は、日本周遊クルーズを予定している「シルバー・ミューズ」による
初のアジアクルーズ(2018年)の様子をプレイバック!
(この記事はCRUISE2019年4月号に掲載したものです。)
今年初めて日本発着クルーズを行う「シルバー・ミューズ」が2018年11月17日、香港に初入港した。2017年にデビューしたこのフラッグシップは、ノーとは言わないサービスを受け継ぎながら、モダンでスタイリッシュなインテリアを存分に取り入れている。
香港停泊中のミューズに乗りこみ、レセプションでチェックインをしていると、ウエイターにさりげなくシャンパンを渡された。スエード素材のクッションが気持ち良いソファに腰掛けながら、華やかでありながらも落ち着いた空間に、早速身を委ねてみる。
船内各所に置かれているモダンアートの作品たち。ミューズで初登場の「アーツカフェ」は絵画に囲まれ、写真集などが置かれたおしゃれな空間が広がっている。
船の大きさは4万トンと近年就航した客船の中では小さめで、施設もそれほど多い訳ではない。それでもどこへ行っても人はまばらで、静かでゆったりとした上質な時間が流れていた。500人ほどの乗客は一体どこにいるのかと疑問に思ったが、客室へ案内されるなりすぐにその謎は解けた。
シルバーシーの船は全室スイートでバトラー付き。広さは36平方メートルからと奥行きがあり、ゆったりしている。バスタブも手足をぐんと伸ばせる広さで、お風呂好きの日本人にはうれしい。アメニティーはブルガリなど3種類から選べ、バスローブはエトロとどれも高品質なものばかりだ。
室内を見渡すとテレビがないことに気付く。「ラグジュアリー船にもなるとテレビは必要ないのか」と思っていたのだが、実はリビングとベッド横の壁に張られた鏡が、テレビにもなるミラーディスプレイとなっていた。スマートでいて不便がなく、使い勝手もよい。
料金に含まれるルームサービスのメニューもかなりの充実ぶり。バトラーがレストランの予約から細やかなサービスまで対応してくれるとなると、このぜいたくすぎる“わが家”から、もうすでに一歩も出たくなくなってしまう。