子連れ・孫連れ、ファミリー・クルーズ、「コスタネオロマンチカ」乗船記
子連れ・孫連れに最適な旅のスタイル。近年、そのことに気付く人が増え、ファミリー・クルーズが盛況だ。
ファミリーで乗船した「コスタネオロマンチカ」のクルーズの様子を紹介しよう。
写真=吉田友和 文=吉田絵里
13歳未満無料――コスタクルーズはまさにファミリーに優しい船会社だ。コストパフォーマンスだけでなく、船内のサービスもイベントも、雰囲気も。日本発着クルーズに子供たちを連れて乗船、その実体験をつづろう。
●子供も喜ぶ乗船時のもてなし
乗船前に宅配便でスーツケースを送ろうと思っていたのに、結局間に合わなかった。自分の段取りの悪さを呪いつつ、出航当日に子供とともにスーツケースをタクシーにのせて東京港に向かうと、1時間足らずで到着した。ターミナル前でスーツケースを預けたら、あっさりと身軽に。これなら事前に荷物を宅配便で送らなくても大丈夫だったと、胸をなでおろす。ターミナルでの待ち時間もほぼなし。子連れの旅ながら、こんな楽な旅立ちはないと思った。
いざ乗船すると、クルーが子供たちに風船を配っていた。わが子たちは「私はピンク!」「紫がいい!」と口々に言いながら大喜び。ささいなことだけど、乗船から歓迎されていると感じるもてなしだ。
乗船した「コスタ ネオロマンチカ」はイタリアを拠点にするコスタクルーズの客船。同社が東京や横浜、そして福岡、舞鶴、金沢発着で大規模な日本発着を実施して今年で4年目だ。大人2人と同室の13歳未満が無料という設定からも、ファミリーにもオープンな船会社であることは間違いない。
乗船直後、プールデッキを散策すると「早くプールに入りたい!」とせがむ、子供たちの元気な声がさっそく響いていた。
乗船したクルーズは梅雨時の6月で、旅に最適とは言いがたい時期。しかし日本人はもちろん、外国人も未就学児を中心に予想以上に多くの子連れ乗客がいて、なんと満船だという。
乗り込んだ乗客たちは、まずはスマートフォン片手に船内撮影に勤しんでいた。「コスタ ネオロマンチカ」は2012年に大改装した船で、イタリア客船らしくセンスが良い。ダイニングやカフェなど、切り取っても絵になるスペースが多数ある。最近の言葉で言うなら、「映える」船だ。