【最新船は、こんなにもすごい!】MSCグランディオーサ
2019年はMSCクルーズから2隻の客船が就航。
同社初のエコシップの内容を紹介しよう。
メラビリア・プラス・クラスの第1船として「MSCグランディオーサ」が、8カ国11港にて27日間にわたり行われたお披露目を終えた。そのフィナーレは11月9日、ドイツのハンブルクでの命名式だった。命名者はソフィア・ローレン。MSCクルーズの新造船のゴッドマザーを務めるのは、15隻目となった。命名式後、同船は7泊の地中海クルーズを開始。
メラビリア・クラスの2隻との大きな違いは最新のテクノロジーを導入したこと。排気ガスを削減し、洋上および港での環境保護対策を大きく向上させた、MSCクルーズ初のエコシップなのだ。
具体的には省エネに貢献する船体デザインと最新鋭のアジポッド、プロペラを使用し、燃料の使用量とそれによって排出される二酸化炭素を大幅に削減。また、排気ガス浄化装置の設置により硫黄酸化物排出量も9割以上の削減を実現した。他にも廃棄物や排水処理の管理能力を高めたり、照明にLEDを用いることでエネルギー効率を上げるなど、環境に配慮したさまざまな工夫を行っている。
既存船も二酸化炭素の排出量削減の計画を進めているが、さらなる削減目標の詳細をMSCグランディオーサの式典で発表した。
もちろん、乗客を楽しませるための進化もある。LEDスカイドームを擁した全長93メートルの「メディテラニアン・プロムナード」にはメラビリア・クラスとは趣向の違うショップやスペシャリティー・レストランが。さらに、シルク・ドゥ・ソレイユのショーはMSCグランディオーサ限定の2演目が誕生した。人気の子供専用エリアも引き続き、レゴ®社とキッコ社の協力のもと造られた。
日本周遊でMSCベリッシマに乗船した後はぜひ地中海をめぐるMSCグランディオーサでさまざまな違いや進化を見つけてみたい。
MSCクルーズは2022年にワールド・クラスとして就航する「MSCエウローパ」を、同社初のLNG船として就航させる予定。今後の同社の環境保全の取り組みにも注目していきたい。
〈SHIP DATA〉
船名:MSCグランディオーサ(MSCクルーズ)
就航:2019年11月
総トン数:18万1000トン
全長: 331.4メートル/全幅:67メートル
乗客定員:6,334 人/乗組員数:1,704人