【最新船は、こんなにもすごい!】ノルウェージャン・アンコール
レストランだけで20カ所、本格的なゴーカートや
サバイバルゲームも搭載している。
全世代がそれぞれの楽しみを見つけられる船だ。
●ここが船上⁉ 最新鋭の遊び施設とエンタメ
終わった瞬間、参加した乗客皆がハアハア肩で息をしていた。「ここ、洋上だよね?」と口々に言い、笑い合う。なんのことだと思われるだろうか。ノルウェージャンクルーズラインの最新船「ノルウェージャン アンコール」には、同型船であるブレイクアウェイクラスの他船同様、「レーザータグ」と名付けられた本格的なバトルゲーム施設があるのだ。舞台となるセットは古代エジプト風に大蛇が設えられたファンタジックなもの。同型船にはない独自のセットで、乗客同士、年齢や肩書きを忘れて夢中で撃ち合ったのだ。
この船には、目を見張るような遊びスポットが数多くある。同型船同様、本格的なゴーカートがあり、その長さは洋上最長。ほかにも最新のVRゲームがいくつも並ぶ施設「ギャラクシーパビリオン」は洋上最大級の広さで、ゴーグルをかけてするゲームはまさしく仮想現実、恐竜が闊歩するフィールドをジープで疾走したり、立ち向かってくるゾンビを倒しながら探険したり。この船では、「ここ、洋上だよね?」と確認したくなる場面が、日に何度もある。
もちろん単に今までにない新しい施設、楽しさがあるだけではない。エンターテインメントのレベルもまたすばらしく、こちらも時に揺れる船上であることを忘れさせてくれる。特に同船で初上演された「ザ・クワイア・オブ・マン」は最高だった。舞台はイギリスのパブ、日本で言えばごく普通の居酒屋で、容貌もやはりごく一般的な(失礼!)青年、中年たちが、耳にしたことがあるロックナンバーをクワイア=合唱で魅せる。歌うだけでなく、時に乗客をステージにあげて上手にいじったり、おなかにでっぷり肉を蓄えた俳優が華麗なタップダンスを披露したり。言葉がなくても引き込まれ、笑えるステージは、同社のハリー・ソマーCEOが「過去に船内で見た中でも最も長いスタンディングオベーションだった」と語るほど、大声援を浴びていた。もう一度観たいと思って調べてみたら、2 0 1 7年初上演でまだ知名度はさほど高くない(しかし評価は高い)ミュージカルだと知って、同社のエンターテインメントに対する先見の明と意気込みとを知った。
「フリースタイル・クルージング」――同社が提供するのは、服装も食事の時間も過ごし方も自由な、気楽なクルーズだ。その多彩な楽しみは「クルーズはかくあるべし」という既成概念からも自由に解き放ってくれる。