【最新船は、こんなにもすごい!】コスタ・スメラルダ
2019年12月、他社に先駆けてLNGを動力源とする
グリーンシップ「コスタ スメラルダ」が誕生した。その大きさは、
18万トンとコスタクルーズ最大。船内施設もパワーアップした。
環境意識の高まりや船舶に対する環境規制の強化を前に、世界中で液化天然ガス(LNG)を燃料とする船舶が続々と登場。クルーズ業界も例外なく、各社が次々にLNG船の建造を発表してきた。その流れの中で、日本で販売する客船としていち早く就航の運びとなったのがコスタクルーズの「コスタ スメラルダ」だ。
このトピックだけでも話題性抜群の同船だが、同様に注目したいのがそのサイズ。コスタ スメラルダはコスタ史上最大となる18万2 700トン。今年5月にデビューした「コスタ ベネチア」が13万トン級なのに対し、約5万トンも大きい、堂々たるフラッグシップとして登場した。同社船隊の他船に比べ船体が大きい分、船内施設は迫力、魅力ともにぐんとアップしている。
イタリアの広場をイメージしてデザインされた同船だが、その象徴的な施設となるのが船尾に登場した「スペイン広場」(写真上)だ。映画『ローマの休日』のロケ地として有名なローマのスペイン広場をモチーフとし、そのまま施設名に冠した。3デッキ分の大階段の幅は船の幅とそう変わらないほどでインパクト大。本家のスペイン階段はいまや飲食や座ることが禁止されているが、船上のここでは心おきなく、カクテルやコーヒーなどを片手にくつろげる。
船中央には3層吹き抜けのドーム型ラウンジ「コロッセオ」が。天井や壁に大型スクリーンが設置され、寄港地などの映像を大迫力で見られるほか、時にはこの設備を生かしたショーも上演される。
他にも、イタリアのデザイン作品が多数展示されるデザイン・ミュージアム「CoDe」など船内随所でイタリアの文化をも感じられる施設が満載だ。
加えて、楽しみなのが食の体験。レストラン11カ所にバー19カ所と、ひと旅では体験し尽くせないほどのラインナップだ。イタリアの味を楽しめる本格ピッツェリアや、ファミリーでの乗船に寄り添ったファミリーレストランのほか、シェフから今晩のディナーがどのように作られるかを調理しながら学べるレストランも登場した。
エンターテインメントも、シアターでのアクロバットやミュージカルなど壮麗なショーから、ラウンジでの乗客参加型のものまで。多彩な演目はどれも見逃せない。
コスタらしい陽気なイタリア流のサービスとともに、パワーアップした「洋上のイタリア」を存分に楽しみたい。
〈SHIP DATA〉
船名:コスタ スメラルダ(コスタクルーズ)
就航:2019年12月/総トン数:18万2700トン
全長:337メートル/全幅:42メートル
最大乗客定員:6,522人/乗組員数:1,678人