英国で14カ月ぶりの運航再開の一番手となった新造船「MSCビルトゥオーサ」。
環境配慮の最先端をいく「MSCシーショア」も初就航の日を待つ。
2021年5月下旬、明るいニュースが飛び込んできた。新造船「MSCビルトゥオーサ」が英国サウサンプトン発着クルーズを開始したのだ。新型コロナウイルス感染拡大後、英国でクルーズが再開されるのは14カ月ぶりとなった。
MSCビルトゥオーサは2019年就航の「MSCグランディオーサ」と同型、メラビリア・プラス・クラスと呼ばれる18万トン級客船で、最新テクノロジーを搭載するエコシップだ。窒素酸化物や硫黄酸化物を9割以上除去する高度な排水・排気ガス処理システムをはじめ、環境保護対策も大きく向上している。
MSCビルトゥオーサにはロボット型バーテンダーが“乗船”、カクテル作りはもちろん、日本語を含む8カ国語での会話が可能だ。また、「OKゾーエ」と呼びかけると起動する音声対応人工知能装置「ゾーエ」を全客室に導入。こちらは日本語未対応だが、高度なオーディオ機能も備え、乗客のスマートフォンなどとブルートゥースで接続しスピーカーとしても利用できる。
同船には新しく、メキシコ料理レストラン「オラ! タコス&カンティーナ」が登場する。タコスやナチョス、トルティーヤ、自家製サルサなどがそろう。ベトナム料理レストランも新設され、グルメの楽しみがますます増えていく。
同社は2026年までに11隻もの新造計画を進めている。今夏就航予定の16万トンの「MSCシーショア」では、紫外線ランプでウイルス、バクテリアなどを除去する空気清浄システムを客船で初めて導入、乗客乗員にさらなる安心感をもたらす。
同船はシーサイドクラス2隻をブラッシュアップした「シーサイドEVOクラス」となり、海をより近く感じる設計とデザインが特徴。同社の船隊で最長、1万3000平方メートルもの広々とした屋外スペースが自慢だ。海を見晴らす遊歩道には、屋外で心地よい食事やリラクゼーションを楽しむスポットがいたるところに配されている。
海上にせり出したガラス張りのキャットウォークや、プールの頭上22メートルに位置するガラス製フロアも海を眺望する特等席になる。
そのほか2022年には20万トン級LNG燃料船第1船「MSCワールドエウローパ」、2023年にはラグジュアリー・クラス第1船の就航を予定している。
〈SHIP DATA〉
船名:MSCビルトゥオーサ(MSCクルーズ)
就航年:2021年5月/総トン数:17万7000トン/乗客定員:4,842人
全長:331.43メートル/全幅:43メートル
船名:MSCシーショア(MSCクルーズ)
就航年:2021年夏/総トン数:16万9400トン/乗客定員:5,632人
全長:339メートル/全幅:41メートル