美しき欧州の国々を、客船で再び
オーシャニアクルーズ「マリーナ」北欧クルーズ乗船レポート

美しき欧州の国々を、客船で再び オーシャニアクルーズ「マリーナ」北欧クルーズ乗船レポート
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2022.12.23
2021年夏以来、欧州では客船が再運航している。2022年8月からは乗船のための抗原検査もなく、
いつもの夏の欧州をクルーズで満喫できた。
写真・文=藤原暢子
日没前、マリーナのファンネルと屋外デッキが美しく輝く

2021年の秋、地中海クルーズに参加した。その時は乗船直前とクルーズ中3日おきの抗原検査でよかったが、寄港地ではツアーに参加してないと船から出られないなど、いくつか規制があった。とはいえ、地中海も北欧も英国周辺も多くの客船が運航再開していた。この時はすでに欧州内は公共交通機関など以外はマスク不要だった(船内も)。

 

今年2022年8月にはとうとう欧州が一足先に、客船乗船のためのPCR検査や抗原検査を不要にした。通常の生活、通常のクルーズの完全復活だ。
個人的には去年の秋から今年の5月までに、海外クルーズに4回参加したが、通常の準備に加え、各国での必要書類やPCRなどの予約でかなり労力を奪われた(日本帰国が一番大変だった……)。そのせいではないが、6月から半年イタリアに暮らすことにした。少し腰を据えて同じ場所でその国の言葉を学んだり、地元になじんだ生活をしてみたかったのだ。

 

一方で、欧州にいれば、クルーズはもちろん、欧州内を気軽に動けるという算段も少しあった。イタリアでは昨年は遠出を控えた人の反動もあり、皆通常通り、夏のバカンスに繰り出した。

 

私もオーシャニアクルーズの「マリーナ」で、ベストシーズンである8月の北欧とバルト海クルーズに参加した。イタリアからなら、出航地のコペンハーゲン(デンマーク)も、下船地のストックホルム(スウェーデン)も3時間程度のフライトで行ける。8カ国10寄港地を11泊でめぐるが、EU内なので何の規制もない。乗船は先述の通り、検査は不要で、ワクチン接種証明書の提示のみ。

ヘルシンキの市街地にあるエテラ港。ヘルシンキ大聖堂を背に特設プールや青空マーケットが広がる
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ヘルシンキの市街地にあるエテラ港。ヘルシンキ大聖堂を背に特設プールや青空マーケットが広がる

残念なのはロシアのウクライナ侵攻で、客船のほとんどがロシアのサンクトペテルブルク寄港を取り止めていること。私は「同港に寄港しないなら、他の珍しい寄港地に行けるし、各寄港地で今回の侵攻について地元の方の考えも聞くことができる」と前向きだった。

 

もちろん「ロシア支配の長かったバルト3国やロシアに隣接するフィンランドに寄港するのは安全性が不安なので落ち着いてから」とか、「サンクトペテルブルク寄港がないなら次回にしよう」と考える人もいるだろう。

 

実際に行ってみるとどの街も普段の夏と変わらない。宝石のように輝き、観光客はもちろん、地元の人も短い夏を謳歌しようと、街や公園、港周辺でくつろいでいる。

港の周りには果物や野菜、ストリートフードの出店が並ぶ
市街地歩きも見どころ満載

デンマーク領の小さな島、ボーンホルムは初めて訪れたが、愛らしい家々や自然に恵まれ、「バルト海の宝石」と称されているのも納得だ。

 

毎日寄港があるので、リトアニアのクライペダは港周辺を歩いただけだが、地元の人が観光船や小さなヨット、ボートで水辺を楽しんでいる。

北欧クルーズの楽しみの一つはアーキペラゴ(多島美)。無人島もあれば小さなサマーハウスがある島もある
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北欧クルーズの楽しみの一つはアーキペラゴ(多島美)。無人島もあれば小さなサマーハウスがある島もある

オーシャニアクルーズは寄港地ツアーにも力を入れており、「オーシャニア限定ツアー」はもちろん、「食とワイン」「食の発見ツアー」などに加えて、「ゴー・グリーン」「ゴー・ローカル」「ウェルネス」をテーマにしたものもある。

 

「ゴー・グリーン」は廃棄されるはずだった布などを使って高品質&デザイン性が高いショップを訪ねたり、廃棄物ゼロのレストランで食事をしたりと、サステナブルな試みを行う所を、説明を聞きながら、楽しくめぐることができる。

 

「ゴー・ローカル」は観光ではなく、寄港地周辺の農園や地元に根ざした暮らしをする人の家を訪ねたり、地元を知り尽くした人と電車などに乗って、マーケットに行ったりして、その地に暮らす人々の生活を体感できるツアーだ。

 

地元の食やワインに焦点を当てたツアーもあり、大都市やすでに行ったことがある場所であれば、まったく違う体験ができる。

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