境港/鳥取県「鬼太郎の夢みなとから神話のくにへ」
【特集】美しき港町へ
鳥取県西部、日本海に突き出した大砂州・弓浜半島の北端に位置する境港。秀峰「大山(だいせん」の稜線を望む風光明媚なこの港は、鳥取と島根、両県を観光エリアにできる贅沢なロケーションだ。山陰地方の重要港湾で、クルーズ客船の寄港時にはおとなから子どもまで市民参加によるおもてなし・お見送りが好評。マーチングバンドや安来節など伝統芸能も披露される。2020年に誕生した客船ターミナル「境夢みなとターミナル」は展望デッキを備え、物産展やビアガーデンなどのイベントでもにぎわう。徒歩圏内に地元自慢の海の幸が集う複数の「おさかな市場」など、お楽しみスポットが集中しているのもうれしい点だ。
ターミナル脇から伸びる「弓ヶ浜サイクリングロード」は米子市・日野川河口まで約15・8キロの爽快なコースで、ウォーキングやジョギングもOK。米子市の海辺にある温泉郷「温泉」、国史跡「米子城跡」も境港から出かけたい観光スポット。中海に張り出した標高約90メートルの天守跡に立つと、大山、中海、日本海が360度のパノラマで一望できる。近年発掘・整備が進み、訪れやすさがアップ、歴史ファンからの注目度も高い。
そして、境港といえばもちろん、「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげる氏のふるさと。境夢みなとターミナルから路線バスでJR境港駅へ約15分、駅から「水木しげる記念館」に続く約800メートルの「水木しげるロード」には177体もの妖怪ブロンズ像が旅人を待ち受けている。ユーモラスでちょっと怖い妖怪の世界は、知るほどに面白い!?
鳥取県内では、海と砂が非日常的な景観を生み出す「鳥取砂丘」と「砂の美術館」、大山でのドライブや乗馬、原生林をゆく「大山ブナの森ウォーク」や「倉吉白壁土蔵群」もおすすめ。
さらに、アクセスのよいお隣・島根県周遊も組み合わせたプランニングがかなうのも、境港の特長。横山大観コレクションと庭園美で外国人からも人気の「足立美術館」、しじみ漁の舟と夕日の名所「宍道湖」、堀川遊覧ミニクルーズや街歩きも楽しい国宝「松江城」、牡丹で有名な「由志園」はいずれも1時間圏内。古代ロマンと縁結びの神として知られる「出雲大社」へも約90分ほど。
松葉ガニをはじめ新鮮な海産物、出雲そば、茶の湯文化が薫る松江の和菓子、季節ごとの旬の果実たちもお待ちかね。歴史探訪や庭園鑑賞の合間に、グルメの楽しみも尽きない境港だ。