京都舞鶴港/京都府「海の京都」の美景と歴史が彩る
【特集】美しき港町へ
京都府北部「海の京都」に位置する、京都舞鶴港。港が位置する舞鶴湾は、日本海が最も深く湾入したリアス式海岸で、湾内の干満差もほとんどないことで極めて穏やか。京都舞鶴港は湾口が狭く、その入港シーンはフィヨルドにたとえられ、クルーズファンから「絶景」と好評だ。クルーズ船の撮影も人気で、なかでも高台の五老ヶ岳公園の五老スカイタワーからは、京都舞鶴港に出入りするクルーズ船を、地形とあわせて撮影することができると評判をよんでいる。
西港と東港に分かれる京都舞鶴港で、西港にあるのが、第2ふ頭旅客ターミナル「京都舞鶴港 うみとびら」。2棟あるターミナル施設のうち、ひとつは「おもてなしの門」をコンセプトとした京町家風のデザインで明るい雰囲気。もう1棟は、内装全体に木の温もりを感じさせるデザインで、床の一部は白砂青松で有名な天橋立の砂浜をイメージした特殊な塗装が施されるなど、京都の風情たっぷり。「海の京都」に期待感が高まるしつらえとなっている。
客船の寄港時には、地元高校生や市民ボランティアたちによる心あたたまるおもてなし。太鼓演奏や吹奏楽などの趣向を凝らした歓迎イベントやお見送りがクルーズファンに人気を博している。
舞鶴市は西舞鶴と東舞鶴、それぞれに特色がある。西舞鶴は、古くは細川氏が治めた「田辺城」の城下町。古刹が並ぶ寺町や、「日本のヴェネチア」とも称される「吉原入江」の街を歩くと、ノスタルジックな風景を味わえる。
東舞鶴は、かつての旧海軍鎮守府の建築群を残す「舞鶴赤れんがパーク」や「海軍記念館」など、旧海軍の歴史を残すスポットが多い。また、ユネスコ世界記憶遺産に登録された資料を数多く展示する「舞鶴引揚記念館」もぜひ訪れてみたい。
京都舞鶴港から足をのばすと、豊富な観光スポットがある。日本三景のひとつとして知られる宮津の「天橋立」をはじめ、福知山には明智光秀が築いた「福知山城」のほか、大江山に残る鬼伝説を紹介した「日本の鬼の交流博物館」などがある。
また、伊根には独自の住生活を今に伝える「舟屋」があり、「海の京都」を象徴する美景が広がっている。また綾部では二条城の障子にも使われた「黒谷和紙」の紙すきの、与謝野では「丹後ちりめん」の織りの体験ができる。これらのエリアは舞鶴から車のアクセスが抜群だ。京都舞鶴港を起点に、海の京都をめぐるプランを考えてみよう。