別府港/大分県「船でこそ訪ねたい、湯けむりの街」
【特集】美しき港町へ

別府港/大分県「船でこそ訪ねたい、湯けむりの街」 【特集】美しき港町へ
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2023.03.30
別府へは船でのんびり行って、のんびり温泉を楽しみたい。
大阪からの新世代フェリーも就航している。
文=吉田絵里
(右)名物の砂湯は浴衣の上から砂をかけてもらえて、体の中からじんわり温まる
(左)行く温泉に迷ったら、別府のシンボル的存在である竹瓦温泉へ。1938年に建設された唐破風造の建物も見もの。

 

いわずとしれた湯の街・別府。入港時には街中からいくつもの湯けむりが上がる独自の景観が迎えてくれる。寄港する外国客船の中にはバスタブがない客室もあるから、ゆったり湯舟につかることを楽しみに、勢いいさんで下船する人もいるだろう。

 

別府にはクルーズ船専用の第4ふ頭があるほか、2023年にはフェリーさんふらわあ専用のターミナルもオープンしている。

 

別府が全国に名を知らしめるのは、全国一の湯量を誇り、とにかく多彩な温泉を誇ること。8つの温泉郷(浜脇温泉、別府温泉、観海寺温泉、堀田温泉、明礬温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、亀川温泉)を総称して別府八湯と呼び、これらの温泉をめぐるスタンプラリーも実施している。

「地獄めぐり」にも一度は挑戦したい。実際に目にする血の池地獄の赤さ、青地獄の青さには驚くはずだ。「地獄」は基本的には観光するスポットだが、足湯を備えた天国のような「地獄」もあるので、歩き疲れたら一休みを。

コバルトブルーの温泉が名物の「海地獄」。飲食スペースや足湯もあり、ここで一休みもいい
CRUISE GALLERY
コバルトブルーの温泉が名物の「海地獄」。飲食スペースや足湯もあり、ここで一休みもいい

多彩な温泉に知的好奇心が刺激されたら、「地獄温泉ミュージアム」へ。ここでは施設来場者自身が「温泉になる」という不思議な体験ができる。プロジェクションマッピングなど、アートを楽しむ感覚で温泉について学べるユニークな施設だ。

現代的なアプローチで50年もの歳月をかけて温泉が生まれるまでの過程を知れる「地獄温泉ミュージアム」
CRUISE GALLERY
現代的なアプローチで50年もの歳月をかけて温泉が生まれるまでの過程を知れる「地獄温泉ミュージアム」

温泉で温まったら、「湯けむり展望台」に足を延ばすのもいいだろう。別府市らしい風景を眺めつつ、温泉を生み出す大地の力に感服するはずだ。

「湯けむり展望台」では、別府らしい景観が望める。周囲を散策してからまた温泉に入るのもいい
CRUISE GALLERY
「湯けむり展望台」では、別府らしい景観が望める。周囲を散策してからまた温泉に入るのもいい

昔から観光地として栄えた地だけに、例えば湯布院など近隣へのアクセスがいいのもポイント。同じく名湯として知られる湯布院では、名峰・由布岳を望みながらの入浴もいい。クルーズ船の寄港地ツアーでは、宇佐神宮を訪れるコースが組み込まれていることも。一方で港に戻ればすぐ隣の上人ヶ浜に天然温泉の別府海浜砂場があって、砂で蒸されてから船に戻ることもできる。

 

そして大分名物の関サバ、関アジなどの魚やとり天などのグルメもお忘れなく。

 

大阪からぶらりフェリー旅も

別府港にはクルーズ船の寄港があるのに加え、2023年から日本初のLNG燃料フェリー「さんふらわあくれない」が大阪~別府航路に就航している。毎日定期就航しているから、ふと思い立って仕事帰りに大阪から別府へ行くことも可能だ。同船には初のコネクティングルームもあり、ファミリーやグループでの旅もよさそうだ。

 

「船で別府へ、温泉に入りに」。なんだか粋な旅になりそうだ。

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