【Mighty Crownインタビュー】日本初のミュージッククルーズを
横浜港発着・MSCベリッシマで2023年7月に開催!
延期しても開催したかった「FAR EAST REGGAE CRUISE」の魅力とは?
今回は、日本就航最大客船・MSCベリッシマで、2023年7月15日より5泊6日で開催される横浜港発着のミュージック・クルーズ「FAR EAST REGGAE CRUISE」を紹介しよう。
本クルーズイベントを企画・主催するのは、横浜を拠点に世界で活躍するレゲエ界の雄、Mighty Crown(マイティー・クラウン)。日本最大規模のレゲエフェス「横浜レゲエ祭」の開催や、世界のチャンピオンを決めるDJプレイの戦い・サウンドクラッシュで8回の世界一を勝ち取り20を超える優勝トロフィーを獲得するなど、前人未到の軌跡を残す彼らが、日本初のミュージッククルーズの開催に挑む。およそ1年間の延期を経て、パワーアップして帰ってきた企画だ。
音楽が好きなら誰もが楽しめるという「FAR EAST REGGAE CRUISE」は、0歳の赤ちゃん連れのファミリーから70代の音楽好きまで、幅広い世代の予約がすでに入っているとのこと。Mighty CrownのMASTA SIMON(マスタ・サイモン)氏、SAMI-T(サミ・ティー)氏に、その魅力を聞いた。
■1年間の延期、パワーアップして今年7月就航!
CRUISE編集長・吉田絵里(以下、――) 前回インタビューをさせてもらってから、1年以上経ちました。その後、延期が決定し、現在の状況はいかがですか? (※前回記事https://www.cruise-mag.com/cruisestory/14158/)
MASTA SIMON氏(以下S、敬称略) 当時は国からの許可が全然下りずという状況で。2022年9月の開催予定が、2023年7月に延期になりました。当時は苦渋の決断でしたが、結果的に自分達はこれで良かったと思っています。世の中の動きというか、マインド的にも。
――新型コロナ対策をめぐる状況は変化してきましたね。
S 昨年暮れの12月、海外のクルーズ船に乗ったんですよ。Damian “Jr.Gong” Marley(ダミアン・マーリー)が主催する「Welcome to JAMROCK Reggae Cruise」に(※1)。そのクルーズでは「もはやコロナはない」っていうほどの感覚でしたね。日本もいよいよ規制が緩和され、延期はプラスに働いたなと感じます。
(※1)マイアミ発のクルーズ。この様子はMighty Crownの公式YouTubeチャンネルで公開されている。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLThhXcVrvOQrPl3s1gTJD2T2uL-x6pOM2
――準備期間も伸びたということで、内容がより豪華になりましたね。出演アーティストの追加発表もありました。
S 「海外アーティスト勢を発表しようかな」っていうところで延期決定になったんです。ようやく発表できたけど、まだ多少は増えるのかなって……。
――出演者は、これからまだ増える?
S 追加発表しましたが、増える可能性はありますね。
――アーティストの方からも「乗りたい」という声があるのでは?
S 逆オファーみたいなのはいっぱいありますよ。「歌わせてくれ」「出演させてくれ」とか言うアーティストやサウンド(DJ)は日本にも海外にもいますけど、全員を乗せるわけにはいかないので、今は選んでいるところです。
――延期になったことで、よりパワーアップした「FAR EAST REGGAE CRUISE」。今年の夏はバッチリ楽しみたいですね!
S コロナ禍に入って3年経ちましたからね。考え方は人それぞれですが、みんな結構大変な3年間だったと思うので、今年の夏は解放していきたいです。「日常に戻そう」という動きもきているじゃないですか。世界的にも良い流れになってきていると感じます。海外の人達も参加しやすくなるので。
「FAR EAST REGGAE CRUISE」のサイトには、最新のアーティストがラインナップされている
■客層は0歳児から70代まで! 日本初のミュージッククルーズ
――一般的にレゲエと言われると「若者向け」の印象がありますが、実際のところはどうですか?
SAMI-T氏(以下T、敬称略) 60代でも、70代でも、楽しめると思います。「ちょっとだまれたと思って聴いてみて」と、大人の方には言いたいです。実際に見たら「面白いじゃん!」ってなると思うので。
S CRUISE読者の中には、すでにクルーズ慣れしているクルーズファンもいると思いますが、「たまにはこういう刺激のあるクルーズもいいな」と思ってくれる人もいるのでは。どうでしょう?
――好奇心ある方が多いですし、いると思いますよ。「FAR EAST REGGAE CRUISE」は他の企画とは全然違うので。
S 30代~50代が多いとは思いますが、音楽が好きな、それこそ60代・70代の人達、ちょっと昔を思い出したいような方は絶対にハマると思うんですよね。ちなみにうちの親や叔母さんたちも来ますしね。
T 「レゲエわからないし」みたいに思う方に伝えたいのですが、クルーズ内での音楽ジャンルはレゲエだけというわけではなく、ヒップホップだったり、90年代に絞った選曲のパーティーだったり、大人向けのソウルなど昔のフレーバーの雰囲気があるラウンジもあったりとか、ジャンル的にもいろいろと仕込んでいます。様々なコンセプトで誰でも楽しめると思いますよ。
S レゲエは自分達がやってきたことなので、もちろんそこは誇りを持ってやるんですけど。それ以外でも、たとえば子どもが一切入れないメロウなエリアをつくったり、SAMI-TがいったようにオールジャンルでソウルやR&Bだったり、昔のディスコミュージックをかけたり。軸はレゲエですが、いろいろな人達が楽しめるようにしたいと思います。
あと、海外からの来日アーティストにしても、Beenie Man (ビーニマン) やT.O.K.(ティー・オー・ケー)はアゲアゲですけど、Barrington Levy(バーリントン・リーヴィ)やFreddie McGregor(フレディー・マクレガー)は彼ら自身が50代後半・60代のアーティストなので、その年代の音楽ファンやクルーズファンにとっては、「同年代がいる」みたいな感じにはなると思います。
――あと、船は楽ですよね。陸の上の音楽フェスやライブと比べて。
S 部屋に戻ったり、違うエリアにいったり、すぐに場面を変えられるのも魅力のひとつですよね。
T 疲れたらキャビンに戻ればいいだけですからね。
S あと、バーに行くとか。MSCベリッシマにはバーが20ヶ所以上ありますから。
――子連れの方も結構いらっしゃいそうですね。
S すでにお子さんは数百人の予約が入っていますね。下は赤ちゃんから、3歳、4歳、5歳……10代の子とか。クルーズ代金も同室の子どもは12歳以下が無料で、13〜18歳は大人の4分の1なので(※2)。あと、船内には子どもを預けられる施設もあります。年齢別に3つくらいのグループに分かれて遊べるようになっているので、そこでは子ども同士がリンクして仲良くなる可能性もありますよね。「明日はあの子と遊びたい!」みたいな。
――お子さんを預けられるという意味でも、「育児・子育てが始まってから、しばらく遊びから遠ざかっているなぁ」みたいな方にとっても良い機会ですよね。
S そうだね。「昔、横浜レゲエ祭に行ったよね」みたいに、お子さん連れの親同士で盛り上がれるかもしれない。
(※2)旅行代金についての詳細は公式サイトを参照
https://www.fareastreggaecruise.com/
■30周年を迎えたMighty Crown、本クルーズが活動ファイナル!
――あと、音楽業界もそうだし、クルーズ業界や旅行業界に携わる人もみんな乗ったら、きっと面白いですよね。
S そうなんですよ。クルーズ業界の方にとっては「こういう使い方があるんだ」みたいな感じにはなると思うので。エンターテイメント業界の人も、箱(クラブやライブ会場など)を借りてイベントを開催するのが普通じゃないですか。ミュージッククルーズは日本で初めてやるので、「これってどういう感じなの?」というところも注目されていると感じます。ライブショーだけじゃないしね、クルーズは。
――そういう意味では、間口が広いですね。
S 基本的にはどんな人でも楽しめるっていうのが一番のポイントです。そんな中でもやっぱり自分達が一番関わってきたレゲエ、そして音楽っていうのが、他のクルーズとの差別化ポイント。自分達がやる意味として、日本で最初にレゲエクルーズ、ミュージッククルーズを開催し、「こういう楽しみ方があるんだ」みたいなのは見せられるんじゃないかなって思いますね。
――一方で、Mighty Crownとしては、この「FAR EAST REGGAE CRUISE」が活動ファイナルという……。
S 本当の最後の最後なので見て欲しいし、歴史の一ページに参加して欲しいという想いはありますね。
T Mighty Crownはこれで最後。このチャンスはもう2度とな無いんで、ぜひ行動に!
S コロナ禍の3年間、みんな大変だったと思うので、今年の夏はポジティブに良い気持ちで楽しめたら一生の思い出になると思う。脳からの幸せホルモン、ドーパミンはやっぱり必要だと思うんですよね。それをコロナでちょっと失ったところもあるので、「人生っていいよね、楽しいよね」って感じて欲しい。「音を楽しむ」と書いて音楽なので、そういう意味では、俺らのラストにはふさわしいと思っています。