海の上のベーカリー、特別開店
「にっぽん丸パンまつり」へようこそ!
用意されたパンは計34種4000個!
2018年9月、横浜から神戸へ向かうにっぽん丸によるワンナイトクルーズは、満室という盛況ぶりだった。三連休を目前に控えた金曜日出発という参加しやすい日程であることに加え、めずらしいテーマを掲げたクルーズだったのだ。その名も「にっぽん丸パンまつり」。もともと船内で毎日焼くパンがおいしいと評判のにっぽん丸が、満を持して「パン」を全面に押し出した企画を実施するという。さて、どんな趣向で迎えてくれるだろう。
横浜大さん橋での出発受付でまず驚かされた。カウンター横に、にっぽん丸をかたどったパンのオブジェが飾られていたのだ。そしてクルーの胸元にはパンをモチーフにしたブローチが。食べられないが小麦を使って焼いたミニチュアで、全て今回のために手作りしたそう。なんという徹底ぶり。
この日は夕食の前後に「パンまつり前夜祭」として中山料理長によるトークイベントが開催された。「にっぽん丸には3人の料理長がいて、通常は交代で乗っていますが、今回は全員が乗船しています」とのこと。特別シフトで今回のイベントに臨んでいるのだ。
そのほかにも、パンの種類によってオーブンを使い分けていたり、パンまつりのために4000個を提供できる準備をしてある(通常は400個)など、厨房でのパン作りに関するトリビアが披露された。続いてトーク内容に関連したクイズが出題され、楽しみながらイベントの舞台裏を学べるひとときとなった。
おいしいディナーをいただいた後は、カクテルパーティー。会の冒頭、久保滋弘船長は「出身地の神戸にはパン屋が多く、幼い頃から身近な存在でした。その私からしてもにっぽん丸のパンはおいしい」とアピール。特にクロワッサンがお好きとのことだった。ちなみにこのパーティーのおつまみも、パンを使ったラスクだった。
パーティーから引き続いて、今回のゲストエンターテイナーであるDEPAPEPEのライブが始まった。カクテルとともに、アコースティックギター2本にパーカッションとピアノというシンプルな編成による爽やかなハーモニーを満喫した。
今回のクルーズでとりわけ印象に残ったのが夜食だ。サラダやスープなどに加え、具材を選べるサンドイッチ、アイスクリームをトッピングしたフレンチトースト、ちまたで流行中のフルーツサンドという「パンまつり」前夜祭にふさわしい充実ぶり。翌日の祭り本番までおなかをすかしておかねばと思いつつ、誘惑に負けてあれこれつまんでしまった。