テクノロジーと美景、ともに楽しみながら北の大地へ
[川崎近海汽船/シルバーフェリー]
2023年4月25日、川崎近海汽船の八戸~苫小牧航路(愛称はシルバーフェリー)は就航50周年を迎えた。その節目の年、「シルバーティアラ」に乗船した。
シルバーフェリーは公式サイトをリニューアルし、予約システムを刷新。スマートフォンでも操作しやすい新システムでの予約が開始されていた。ターミナルでは予約のデジタル化により、乗船手続きがかなりスムーズになった印象だ。これまで多客期になるとカウンター前には長蛇の列が発生、発券作業に時間がかかったという。ところが新システム導入後は、自動発券機に乗船用QRコードをかざすだけで、あっという間に手続きが終わる。新しい予約方法を紹介する動画も公式サイトに掲載され、手続きで戸惑う人も見かけない。乗客からは「使いやすくなった」と好評だ。
船室のカードキーも差し込み式からQRコードをかざす方法に変更(シルバーブリーズを除く)。乗船券についているQRコードなので、こちらも使い勝手がいいと好評を得ているそうだ。このQRコードは12時間限定なので、セキュリティー面でも安心だ。
シルバーティアラの苫小牧発は深夜で、翌日早朝に八戸入港。北海道観光の帰途には、実に使い勝手のいいダイヤだ。ただ、凝ったデザインの船内をじっくり楽しみ、展望浴室や船首のビューシートから津軽海峡の景観を満喫したいという人も多いだろう。13時の八戸発なら苫小牧着は夜20時15分。シルバーティアラの持つ良さをより実感できる船旅となる。
コロナ明けの船内、若い世代の乗客が増えたような気がする。若者たちは北海道への期待、または楽しい思い出を語り合っていた。ペットとともに乗船する人の姿も少なくない。シルバーフェリーはペットルーム(ケージ室)とペット同伴室を完備。シルバーティアラでは愛犬が外に出て遊べるペットバルコニーまで付いている。かわいいペットと安心して船旅を過ごせることで、愛犬家からの評価も高い。
就航半世紀を迎えたシルバーフェリー。地元あってのフェリー航路、という気持ちから地元の子供たちに還元したいと、八戸市では小学校での授業に使用できるスケート靴を寄贈。。苫小牧市では小中学校に図書を寄付した。また、3分半の50周年記念動画「思い出といっしょに」を昨年の大型連休、北海道および東北の映画館で流した。これは北海道から福島へ嫁ぐ娘が、両親に船で一緒に行くことを提案するストーリー仕立てで、話題を呼んだ。このスペシャルムービー短縮版のテレビCMは、北海道テレビ、青森放送、テレビ岩手の3局でも昨年末から放映され、好評を得た。
シルバーフェリーは50年の老舗ながら、最新テクノロジーにキャッチアップし、快適な乗船を実現している。これからも温かく見守りたい航路である。
船社名:川崎近海汽船
運航船:シルバープリンセス(10,536トン)
シルバーティアラ(8,543トン)
シルバーブリーズ(8,501トン)
シルバーエイト(9,483トン)
航路:八戸~苫小牧
問い合わせ先:https://www.silverferry.jp/
予約センター 0120-539-468(フリーダイヤル)