東京港からゆく、新しい東京
実は都心へのアクセスが良く、クルーズ前後も存分に東京を楽しめることをご存じだろうか。
変化し続ける東京の最新注目スポットとあわせて紹介しよう。
冬の訪れが感じられる11月中旬、東京港国際クルーズターミナルにラグジュアリー客船「セブンシーズ・エクスプローラー」(約5万5000トン)が入港した。旅慣れた雰囲気の外国人乗客たちが満面の笑みで下船してくる。その笑顔からは、12日間の日本周遊クルーズを終え、日本の旅を満喫してきた様子が伺える。 東京国際クルーズターミナルは2020年に開業したクルーズ専用ターミナルだ。世界最大級の客船も受入可能な、東京の新しい海のエントランスである。
「波」と「船の帆」をイメージした大屋根が印象的な建物は4階建てで、延べ床面積1万9000平方メートル。2・3階はCIQ(税関・出入国管理・検疫)エリアとなっており、3階には吹き抜けの大空間が広がる。ガラス張りの大きな窓からは光が差し込み青空も見え、まるで一幅の絵画のよう。 この日は2階で乗下船を行ったが、大型船の場合は3階で乗船、2階で下船と動線を分けることができる。客船のサイズごとに最適なオペレーションが可能、というわけだ。4階にはベイエリアの景色を望む送迎デッキもある。
世界最大級の客船が着岸できるターミナルというと「中心部から離れていて不便」というイメージがあるが、このターミナルは羽田空港や東京駅、品川駅にも近く、フライ&クルーズに利用しやすい。 銀座など人気エリアへも車で約20分とアクセスがいい。公共交通機関の場合、最寄り駅ゆりかもめ「東京国際クルーズターミナル駅」から約15分で山手線に乗り換え可能。港からアクセスしやすいお台場や豊洲周辺のベイエリアにも最新スポットが続々登場中だ。
東京港の客船入港回数は2 0 2 3年には49回を記録した。これは2012年以降最多で、今年はこれを上回る数を見込む。3月には「クイーン・エリザベス」が初入港し、6本もの日本周遊クルーズをここ東京港から実施する。そのほか「MSCベリッシマ」など話題の客船も続々入港予定だ。
これまでおなじみだった晴海ふ頭も2025年の受入再開を目指して再整備が始まった。こちらは平屋建てで、中小型船を受け入れる計画だ。 ますます客船の入港が増えそうな東京港。これから乗船で利用のチャンスが増えそうだ。