新時代を展望する、神戸ポートタワー
2024年4月26日リニューアルオープン!
タワー60年の歴史に新たな扉が開く
神戸の注目3社がプロデュース参画
海から神戸港中突堤に入港するクルーズ客船、そのデッキにいる誰もが、神戸ポートタワーと周辺ホテルが織りなす風景に思わず歓声を上げる。港のランドマークをなす建築群のなかでも、赤い鋼管を和楽器の鼓のように組んだタワーはひと際目を引く存在だ。
1963年から神戸港のシンボルとして、港の埋め立てや造成、船の変遷、震災と復興も見つめてきた神戸ポートタワー。 「開業当初は、タワー周辺に船があふれていた時代ですね。瀬戸内海航路の定期船も多く、九州や四国への帰省客や旅行客が中突堤で乗下船するたびに、このタワーを見上げ、展望台に上った。結婚式やイベントの舞台でもあり、人生の節目に見たタワーのライトアップを思い出す人は多いでしょう」と、神戸市港湾局振興課の瀬沢孝至課長。
取材で会った神戸っ子たちも「この2年半、工事でタワーの姿が見えず、どうにも寂しかった」といい、「今度は屋上に出られるんだって? 楽しみだねえ」と目を輝かせる。 今回は耐震補強工事を含む大規模リニューアルで2021年から一旦営業も停止、新オープンにあたっては、運営業者を公募、「“神戸らしさ”を感じるコンテンツ、空間デザイン」、「人を惹きつける、新しく変化のある仕掛けづくり」などの観点から3社が選定された。
展望フロア・屋上デッキとエントランスなどは多角的な事業展開で知られるフェリシモがプロデュース。低層3・4階はカフェ&バーで、神戸を中心にレストラン、ウエディング事業などを手掛けるクレ・ドゥ・レーブが運営。低層2階は地場産業の商品開発と独自のネットワークを強みとする熾リが担当する。
展望フロア・屋上デッキ
NEW! 地上約100メートル、360度の眺望がひらけるオープンエアの屋上デッキと多彩な魅力の展望フロア1~5階
低層フロア
NEW! 新設の屋外テラスを含む低層3・4階にカフェ&レストランが誕生。低層2階には兵庫県内初出店となる「BEAMS JAPAN」も登場
上2024/下1963
1963年開業当時の展望フロアから見た現在のメリケンパーク方面。船混みが日常の港内で2000隻以上の艀(はしけ)が活躍していた(写真提供:神戸観光局港湾振興部)
ガラス張りの屋上デッキが出現! 回転フロアもある展望1〜5階
初めて入場可能になる屋上デッキは、周囲がガラス張りで、頭上はオープンエア。展望4階は光をテーマにしたアートミュージアムに。展望3階は360度回転しながら神戸の街を見渡せるカフェ&バー「Ready go round」、展望2階はショップ「Kobe Port Tower Shop by Fellisimo」で、ここでしか手に入らないオリジナルグッズが販売される。
開放感あふれる屋外テラスは船目線
低層3・4階のカフェ&レストラン「PORT TERRACE」
低層4階は新設の屋外テラスがあるカフェ&バー。港の光と風を感じるテラス席は、船たちの姿を目前に眺められるのがうれしい。開放感あふれる空間でホットサンドなどの軽食と神戸・兵庫産のフルーツ、ドリンクを。低層3階は、コースからアラカルトまでの食事をしっかり楽しめるレストランカフェになっている。
神戸ポートタワーは神戸港開港90周年事業として中突堤に起工され、1963年11月開業。当時の神戸港振興協会(現:神戸観光局港湾振興部)会長で神戸市長だった原口忠次郎氏が、ロッテルダム港の「ユーロマスト」に触発され、ミナト神戸のランドマークとして発案したという。真紅の鋼管を組み合わせた優美な「鼓(つづみ)型」のデザインで、「鉄塔の美女」と称される。高さは当初103メートル、1965年に旗竿が設置されて108メートルになった。