美らブルーにときめく島めぐり、水族館での特別ディナーも
にっぽん丸「飛んでクルーズ沖縄」レポート

美らブルーにときめく島めぐり、水族館での特別ディナーも にっぽん丸「飛んでクルーズ沖縄」レポート
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2024.09.05
今年で14年目を迎えたにっぽん丸の「飛んでクルーズ沖縄」。
全国各地から那覇空港に飛んで、アクセスのよい那覇港発着で島々をめぐる。
限定企画には、なんと沖縄美ら海水族館貸切立食ディナーも登場! 
沖縄の魅力を五感で楽しめるフライ&クルーズをリポート。
写真=斉藤美春 文=成川ゆかり
「ハテの浜」から望遠レンズで、久米島の東側・真泊港沖に投錨したにっぽん丸の姿をキャッチ!

●「久米島・国頭村・本部」コースで出会った、輝く海のグラデーション

 

青やグリーンのグラデーション、その輝きと透明度が桁違いだと思う。沖縄の方言で「美しい海」を指す「美ら海」とはこれなのだろう。「飛んでクルーズ沖縄 Cコース久米島・国頭村・本部」では、そんな海といくつも出会った。

 

乗船日は6月25日。梅雨明け間もない沖縄・那覇空港に到着すると、ロビーには事前予約制の送迎バスに案内するスタッフの姿が。飛んでクルーズのシリーズでも、空港とにっぽん丸が着く港の「近さ」では那覇がダントツ、波の上ビーチを眼下にみる橋を渡って間もなく港ターミナルへ、移動も楽々だ。

那覇港クルーズターミナル発着で、今年は「西表島・伊平屋島」「久米島・国頭村・本部」「石垣島・台湾」の各コースをめぐったにっぽん丸
CRUISE GALLERY
那覇港クルーズターミナル発着で、今年は「西表島・伊平屋島」「久米島・国頭村・本部」「石垣島・台湾」の各コースをめぐったにっぽん丸

2日目は那覇の西・約100キロメートルに位置する久米島に到着。沖縄では本島・西表島・石垣島・宮古島につぐ5番目に大きな島で、琉球王朝時代から寄港地として栄え、「球美」とも呼ばれたという。久米島紬など伝統文化あり、ビーチあり…。「そう、久米島といえば、ハテの浜だ!」とハテの浜へ上陸する寄港地観光ツアーを選択した。

 

今回、にっぽん丸が沖止めした東側、沖合いにある「ハテの浜」はメーヌ浜・ナカノ浜・オクノ浜(前ノ浜、中ノ浜、奥ノ浜)という3つの砂洲の総称で、東洋一の美しい浜とも呼ばれる。今回参加した寄港地観光ツアーの渡船は、なかでもいちばん遠く、ポスターなどに使われるオクノ浜に到着。渡船からステップで降り立った波打ち際、その透明度がすごい。足元から数㍍向こうの砂粒の動きが見えるくらい透明で、まさに圧巻の美しさだ。

久米島の「ハテの浜」の中でも最も美しいといわれる「オクノ浜」に上陸。「せめて膝までは海につかろうと、服を選んできたのよ」という女性は、笑顔で波打ち際を歩き出した
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久米島の「ハテの浜」の中でも最も美しいといわれる「オクノ浜」に上陸。「せめて膝までは海につかろうと、服を選んできたのよ」という女性は、笑顔で波打ち際を歩き出した

約1時間、ビーチパラソルやビーチチェアを借りて楽園の眺めを楽しんだり、ライフジャケット着用で海に入って浮かんでみたり。記者も透明ゼリーのような海にしばし浸かってパシャパシャ…。「う~ん、波が柔らかくて、最高!」。久米島の海に肌を浸すひとときは、もう水着も面倒かな、と思いかけていた自分に何かを目覚めさせてくれるようなチカラもあった。これも沖縄の美ら海とクルーズがもたらす不思議マジックなのだろう。

足がつく遠浅の浜で、泳いで浮いて、久米島の海に全身を浸してみる。海に入るときは「ライフジャケット着用で、渡船のガイドさんの視界内で」がお約束だ
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足がつく遠浅の浜で、泳いで浮いて、久米島の海に全身を浸してみる。海に入るときは「ライフジャケット着用で、渡船のガイドさんの視界内で」がお約束だ
浜でのパラソル、ビーチチェアの貸出も行う渡船のスタッフ。手にしている黄色いバッグの中には救急キットやAEDがスタンバイされている
久米島での寄港地観光ツアーのひとつ「久米島文化体験」に参加した姉妹は、久米島紬の里で草木染体験をしたという

翌朝、にっぽん丸は沖縄本島最北端の初寄港地・国頭村沖へ。港からは寄港地観光ツアーで辺戸(へど)岬を訪ねた。「岬の東側は太平洋、西側は東シナ海です」とガイドさん。やんばる国立公園に指定されているこの一帯は、海食崖やカルスト地形と山林が独特な景観を織りなし、ヤンバルクイナなど希少な動植物でも知られている。

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国頭村の宣名真漁港沖に停泊したにっぽん丸
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国頭村の宣名真漁港沖に停泊したにっぽん丸

道の両側はツヤツヤと光る葉の低木が広がり、さながら緑の海のよう。「これはテリハクサトべラです」と教わって調べると、なるほど石灰岩にも根を張る亜熱帯植物だ。

 

岬の崖下には、海底の岩礁がよくわかるほど澄んだ青とエメラルドグリーンの海。沖合約22キロメートルの水平線に鹿児島県の与論島が見える日もあるという。人々の思いと歴史を見てきた海から振り返ると、沖縄最古の御嶽で古くから聖地として知られる安須森(あすむい)が望めた。

本島最北端・辺戸岬の突端に建つ「祖国復帰闘争碑」は沖縄の本土復帰への道のりを語るモニュメント
辺戸岬から見下ろした海食崖、ダイナミックな景観美が印象的だ

●沖縄美ら海水族館の「黒潮の海」へ

 

日中、自然の陽ざしに輝く海を存分に見てきたクルーズだが、さらに夜にはスペシャルな海との出会いがあった。この日は一日2港に寄港する日で、午後にっぽん丸は本部港に着岸した。そこで限定企画のやんばるツアーとして、やんばるの海、森、星をそれぞれテーマにしたコースを実施。そのひとつ「やんばるの海コース~食~」は、沖縄美ら海水族館の大水槽の前で貸し切りの立食ビュッフェを楽しむというのだから、期待もひとしおだ。

午後に寄港した本部港

夕刻、港から出発したバスは、閉館後の沖縄美ら海水族館に到着。通路を抜けていくと…「おおっ、きた!」。目の前にジンベエザメやマンタが悠々と泳ぐ大水槽「黒潮の海」が開ける。通常の営業時間内と違って、今日は幅35メートルもある大水槽正面にパーティー用の丸テーブルが並ぶ。料理のコーナーには、多彩な前菜から、ラフテー(角煮)やジーマミ豆腐といった沖縄らしい料理、寿司など和洋中のメニューがずらり。昼のざわめく館内とはひと味違う、穏やかな海の底にいるようなゆったりとした雰囲気の中、会食がスタートした。

沖縄美ら海水族館の大水槽「黒潮の海」の前で行われた、にっぽん丸貸切の立食ビュッフェ「やんばるの海コース~食~」
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沖縄美ら海水族館の大水槽「黒潮の海」の前で行われた、にっぽん丸貸切の立食ビュッフェ「やんばるの海コース~食~」
立食ビュッフェの料理は、沖縄らしいメニューも組み込まれた本格的な宴会料理。ホテルからのケータリングでサービスも洗練されていた

撮影場所:国営沖縄記念公園(海洋博公園)・沖縄美ら海水族館

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