ハワイ・アラスカグランドクルーズ
「飛鳥Ⅱ」が見せるありのままの大自然

ハワイ・アラスカグランドクルーズ 「飛鳥Ⅱ」が見せるありのままの大自然
CRUISE STORY
クルーズストーリー
2019.08.27
飛鳥クルーズとして15年ぶり、飛鳥Ⅱでは初めての
「ハワイ・アラスカ グランドクルーズ」に専属カメラマンとして同行した。
40日間のクルーズでは、飛鳥Ⅱが数えきれないほどの絶景をわれわれに見せてくれた。

写真・文=朝比奈雄太
運が味方した40日間

6月3日、横浜港大さん橋を出航した飛鳥Ⅱは、大自然の息吹を感じるハワイ・アラスカ航路へ旅立った。飛鳥クルーズとして15年ぶりで、2004年に訪れたときは初代・飛鳥だった。飛鳥Ⅱとなってから初めてめぐる同航路に、乗客の期待もいつも以上に高まっているのが感じられた。

 

横浜ベイブリッジをくぐり、東京湾を抜けて太平洋へ。出航してから数日は天候に恵まれなかったが、晴天になると、絵の具で描いたようなブルーに染まった空と海が囲む世界が眼前に広がった。バルコニーで洋上を眺めると、今更ながら地球は丸く、水平線は真っすぐでないことに気づかされる。

 

ハワイのハイライトのひとつが、序盤にやってきた。最初の寄港地・ナウィリウィリへの入港前日、小久江尚船長の粋な計らいで、「ナ・パリ・コーストを航行する」との船内放送が入った。映画『ジュラシックパーク』のロケにも使われた、切り立つ断崖絶壁が海岸沿いに広がる名所だ。訪れるにはヘリか観光船が一般的とのことだが、われわれは飛鳥Ⅱの船上からその大迫力のパノラマを端から端まで、じっくりと眺めることができた。山頂に雲がかかっていたが、それも残念とは思わせない神秘的な雰囲気に圧倒されて、思わず船首から船尾に移動しては何度もシャッターを切っていた。

 

粋な寄り道で見られた「ナ・パリ・コースト」。岩陰から今にも恐竜たちが出てきそうな壮大な景色が広がっていた
CRUISE GALLERY
粋な寄り道で見られた「ナ・パリ・コースト」。岩陰から今にも恐竜たちが出てきそうな壮大な景色が広がっていた

寄港地でのオプショナルツアーも多彩だ。好天に恵まれたナウィリウィリでは、ワイメア渓谷の観光に参加した。展望台に立つと、赤土の赤と木々の緑に彩られたグラデーションが美しい岩壁が、目の前に広がった。日の光の当たり方によって、陰影が刻一刻と変わる様子を見ていると、時間が経つのをすっかり忘れてしまっていた。

 

朝日に照らされるダイヤモンドヘッドの景色も強く印象に残っている。ホノルルへの入港時、船はスピードを日の出時間に合わせてくれた。山肌の色合いも徐々に変わり、空の色も青みが増していく。ワイキキの街が夜から朝に変わる様子を見ながらの入港は、クルーズならではの貴重な経験だった。

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マウイ島のラハイナにあるバニヤンの大樹。樹齢140年といい、1本の木とは思えない力強さがある
ラハイナのメインストリートには木造でできた色とりどりの建物が並ぶ

 

ホノルル滞在2日目のツアーでは、かわいらしい出会いがあった。カネオヘ湾からボートに乗り込み、天国の海と呼ばれる「サンドバー」へ。サンドバーとは砂洲のことで、ここはサンゴの細かい砂が堆積していることできれいな白砂が広がっている。干潮時には浅瀬になり、細かな砂を足裏に感じながら歩くことができる。

 

海中の透明度も高く、シュノーケリングをしながら色とりどりの魚やサンゴと戯れていると運よく、ウミガメを発見することができた。彼らがどんどんこちらに近づいてきて、一緒に泳いでいる気分だ。こんなにも至近距離で見られるとは思いもしなかった。

この後、マウイ島、ハワイ島と訪れ、めぐったのはぜいたくにも全部で4島。広大な自然を目の当たりにしながらその傍らで、人々が祖先や伝統に敬意を払いながら生活している文化もまた、興味深いものだった。

 

このまま日本へ帰ってもいいほどの満足度を感じつつ、飛鳥Ⅱはわれわれにさらなる絶景を見せるべく進む。向かうは冷たい氷河が流れ込む地・アラスカだ。

カネオヘ湾でウミガメに遭遇。彼らのほうが泳ぎがうまく、写真を撮るのが難しかった
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カネオヘ湾でウミガメに遭遇。彼らのほうが泳ぎがうまく、写真を撮るのが難しかった
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