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飛鳥U、2020年にシンガポールで大規模改装
日本客船
2019/05/15
郵船クルーズは15日、同社が運航する客船「飛鳥U」(5万142トン)を大々的に改装すると発表した。改装時期は2020年1月中旬から3月上旬までの45日間で、シンガポールのセンブコープマリンで実施する。2020年1月に発効する硫黄酸化物(SOx)規制に対応するため、排ガス脱硫装置(SOxスクラバー)を新たに搭載するほか、露天風呂の設置、レストランやラウンジの改装、エントランスへのLEDディスプレイの設置などを行う。日本籍のクルーズ客船を海外ドックで改装するのは初めて。改装費用は具体的には明らかにしていないが、同社の坂本深社長は「数十億円規模」と語った。

坂本社長は今回の改装プロジェクトに関して、2017年から改装先の検討と計画立案を進めていたと明かした。その背景は「飛鳥U」が船齢を重ねてきたことがひとつの理由という。今回の「飛鳥U」の大改装に加え、新造船の建造計画も引き続き探っていると述べ、5月1日に新造船に関するプロジェクトチームを結成したことを明らかにした。今後2年を目処に新造船に関する提言をまとめる。

坂本社長は今回の改装のコンセプトについて、「外国船と張り合うことは考えていなかった。豪華に、華やかにするというよりは、乗客の皆さまが心地よく快適に過ごせることを考えた施設の設置や改装を念頭に置いた」と語った。SOxスクラバーを搭載することに関しては、「規制適合油を導入することも考え、非常に頭を悩ませた。規制適合油の価格変動などを見据え、スクラバーを設置した方が費用対効果は高いと判断した」と説明した。

今回の改装を担当するセンブコープマリンのウォン・リーリン・ダイレクターは「飛鳥Uの限られた空間にスクラバーを設置するのは挑戦だと感じた」とし、加えて45日間という限られた期間の中で、これだけ多くの改装を盛り込むのは意欲的な試みになる。このため、綿密な計画を立てることに力を注いだことを明かした。

坂本社長は、初めて海外ドックで改装することに関して、センブコープが多くの客船の改装を手がけてきた実績とその技術力に着目したと語った。日本籍の客船を海外で改装するのは初めてになるが、日本郵船ではLNG船を筆頭に多くの船舶の改造などを手がけた実績があり、そのつながりは深いと強調。こうした背景が、今回のセンブコープでの改装実施につながったとしている。

今回の改装により船内施設は大幅に変わる。改装の詳細は以下の通り。
●現在12デッキにある展望大浴場グランドスパは拡大して露天風呂を設置。
●スイート客室専用のダイニング「プレゴ」は「ザ・ベール」と改称、2人がけ座席を増やし、オープンシーティング制のレストランにする。
●ビュッフェレストラン「リドカフェ」「リドガーデン」において、ビュッフェカウンターをアイランド形式に変更する。2人用の席も増設。
●エントランスエリアであるアスカプラザにLEDスクリーンを設置。さまざまな映像を流せるようにする。
●アスカスイートに初の和洋室を2室設置する。和室の雰囲気を取り入れつつ、洋室のしつらえを持つ客室で、ミニシンクやバスエリアも備える。
●ブックラウンジ「イー・スクエア」が新設される。「コンピュータープラザ」をPCコーナーとライブラリーを兼ねたオープンな雰囲気のラウンジに変更する。インターネット(有料)の利用もでき、コーヒーやハーブティーも提供する。

このほか、船内サービスとして全客室でWi-Fiサービス(有料)を利用可能にする。加えて客室で映画などを楽しめるビデオオンデマンドサービスを導入、客室のテレビのサイズも大きくする。

写真左:坂本氏(中央)、リーリン氏(左)
写真中:グランドスパの露天風呂(イメージ)
写真右:アスカスイートの和洋室(イメージ)







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