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ジャンボフェリー、来年9月竣工の新造船デザイン公表
ジャンボフェリーは12日、内海造船瀬戸田工場で新造フェリーの起工式を開催した。併せて船体デザインを発表した。新造船は神戸~小豆島から高松航路に就航している「こんぴら2」との代替船となり、32年ぶりの新造船となる。
新造船は約5200トンで、現行船から1500トン増加する。旅客定員は620人、大型車積載能力は84台となる。航海速力は18.5ノット。船体は現行の約1.4倍となり、輸送力は約3割増強する。客室スペースも拡大、個室や半個室タイプの客席も充実させて快適性もアップする。
デザインのコンセプトは、「光り輝く穏やかな波間を白い船が静かに進み、その向こうには美しい島々が浮かぶ」瀬戸内海の日常の風景をイメージ。白い船体には穏やかな波をイメージした紺碧色の曲線が大きく描かれている。ファンネルと船首・船尾には縞模様を取り入れた。縞の本数は、航海の安全を祈願して、船首7本、ファンネル5本、船尾3本の「七五三」の吉数とした。同じ加藤汽船グループの雌雄島海運が今年3月、瀬戸の島々への思いを込めたシマシマ模様の新造船「めおん」を就航させたが、今回の新造船もシマシマ模様を取り入れた。
大幅な燃費向上を実現するのも特長だ。日本初となる浅喫水・全面無柱フルフラット甲板対応型の2サイクル1機1軸推進システムや高速離岸デバイスなどをパッケージ化した。新型コロナウイルス対策では、高い換気能力と新紫外線(UV-C)殺菌デバイスを備えた空調システムを業界で初めて導入。災害時の海上支援を想定し、ストレッチャーごと搬送できる寝台用エレベーターも整備する。
来年5月に進水式を行う予定で、同時期に船名と客室コンセプトを発表する。来年7月に就航開始日を決定し、予約を開始する。9月に竣工する。2隻目は2025年竣工を予定している。
ジャンボフェリーの大型化に備え、高松港では今年3月に朝日地区で複合一貫輸送ターミナルの整備に着工している。25年度までに水深7.5メートル・延長200メートルの耐震強化岸壁や、ふ頭用地1.4ヘクタールなどを整備する方針だ。