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名門大洋フェリー、歴代最大の新造船「フェリーきょうと」、16日就航
名門大洋フェリーの新造船「フェリーきょうと」が竣工し、15日大阪港に初入港した。同船は歴代最大船型となる1万5025トン。同日、報道陣や関係者向けに船内見学会が行われ、16日に初就航した。
同社は大阪~新門司(北九州)でフェリー4隻、毎日往復2便運航している。新造船は「フェリーきょうとⅡ」(9770総トン)の代替船として三菱造船に発注し、三菱重工業下関造船所で建造された。総トン数で前船の1.5倍に、全長も195メートル、全幅27.8メートルと大型化を図った。航海速力は23.2ノット。車両積載台数は、トラック(12メートル車換算)で約162台と前船の50パーセント強ある。乗用車は約140台と前船から5台減。大型化しながらも、旅客定員を675人と前船692人より抑えたことで、船内をゆったりとくつろげるようにした。
船体の推進システムは、主プロペラの両側に旋回式プロペラを配置したハイブリッド型推進方式を採用。1軸化による推進抵抗減により、燃料消費量を低減。また、旋回式プロペラにより12ノット以下の低速航行が可能で、離接岸時の操舵性を向上させている。
ハイブリッド型スクラバーも搭載。三菱重工のオリジナル技術である空気潤滑システム「MALS」(マルス)も設置した。これらにより、トラック1台当たりの燃料消費量を35パーセント削減した。トラック積載能力を高めたため、二口荷役で荷役時間を短縮し、可動橋も設けた。
船内のデザインコンセプトは「古都のたたずまい」。個室志向の高まりから、カーペット敷きの相部屋に代えて、プライベート空間を確保できる独自のニューキャビンを新設した。全区画内装の抗菌・抗ウイルス加工、抗菌・抗ウイルスエアコンフィルターの設置など、各種感染対策も施した。授乳室やキッズルーム、女性客のためのパウダールームも設置。電気自動車用充電器も設置している。ドライバーズルームの個室化と増室も図った。
姉妹船「フェリーふくおか」も建造中で、2022年3月28日就航予定。
写真左から、大阪港に初入港した「フェリーきょうと」、デラックスルーム、パウダールーム