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ゲンティン傘下、独MVベルフテン造船が破綻
2022.01.12
業界
ゲンティン香港は11日、傘下のドイツ造船所MVベルフテンが10日に地元裁判所に破産手続きを申請したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴うクルーズ市場の冷え込みと建造工程の混乱により資金繰りが悪化しており、クルーズ船の建造資金の調達をめぐるドイツ政府との協議がまとまらなかった。
MVベルフテンは現在、ゲンティンクループのドリームクルーズ向けに「グローバルドリーム」(20万8000トン、乗客定員9500人)を建造中。すでに75パーセントが完成した状況だが、建造資金が詰まった。ゲンティンによると、ドイツ州政府やドイツ政府系ファンドなどから融資枠を得ていたが、昨年末に融資を得ようとしたところ契約になかった追加条件などを求められ融資を得られず、資金調達がいずれも失敗したという。
ゲンティン香港は2015年に日本郵船からクリスタル・クルーズを買収してラグジュアリー市場に進出。同年にプレミアム・クラスのドリームクルーズを立ち上げたほか、リバークルーズや航空事業も手がけるなど拡大路線をとっていた。
2016年には旧ノルディック・ヤーズ傘下のドイツ3造船所を買収して造船グループ「MVベルフテン」を設立。ビスマル、ロストック、シュトラールズントの3都市で造船所を運営。以前はコンテナ船やオフショア作業船などを建造していたが、ゲンティングループ入り後は同社向けのクルーズ建造を主体として運営した。2017年以降に、リバークルーズ用客船4隻と極地探検メガヨット「クリスタル・エンデバー」(1万9500トン)を竣工した。一昨年からの新型コロナウイルスの影響で、ロックダウンに伴う工場の長期休業などに直面したほか、親会社のゲンティン自身もクルーズ市場低迷で経営が悪化していた。
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