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「にっぽん丸」、2022年12月出航のモーリシャスクルーズを発表
商船三井客船は12日、運航する「にっぽん丸」(22,472トン)で、2022年12月出航、47泊48日の「モーリシャスプレシャスクルーズ」を実施することを発表した。コロナ禍以降見合わせていた海外クルーズの本格的な再開であり、商船三井客船としては2012年以来の中期海外クルーズとなる。
同クルーズは12月15日に横浜を出港し、シンガポール、モルディブ、モーリシャス、マダガスカル、そして再びシンガポールに寄港するスケジュールで、すべての寄港地で1停泊以上する。目玉となるモーリシャスでは3泊4日し、現地にて収穫を行う農業体験企画「にっぽん丸農園」やマングローブ・エコツアーのほか、地域の人々との交流体験プログラムも予定。シンガポールでは真夏のクリスマスを体験でき、2023年のお正月はインド洋上で日本の伝統的なお正月料理などが楽しめる。
商船三井客船は12日、商船三井とともに同クルーズを発表する記者会見を実施。商船三井のチーフエンバイロメント・サステナビリティオフィサーである田中利明副社長が、昨年7月にモーリシャス沖で同社がチャーターした貨物船が座礁し、重油が流出する事故があったことに触れた。そしてそれ以来、モーリシャスとその周辺海域の自然環境の回復と保全、地域社会への貢献活動を行っていることを説明。今回のクルーズではこうした活動を背景とし、「モーリシャスの魅力を多くの人と分かち合い、モーリシャスと日本との交流が発展していくことを願っている」と語った。
商船三井の環境・サステナビリティ戦略部担当の島裕子理事は、事故後にモーリシャスにまつわる2つの基金を設立したことに触れ、自然保護、地域地域社会への貢献の面でこれまで行ってきた支援を紹介した。加えて「今後も息の長い支援を行いたい」とし、その一環として同クルーズが同国の主要産業のひとつである観光の支援になると語った。
続いて登壇したにっぽん丸のゼネラルマネージャーである川野惠一郎取締役は、今クルーズは現地モーリシャスの人々も期待していると語り、「乗船運賃も考慮を重ねた」と明かした。さらに乗船前のPCR検査など船内の感染症対策に触れ、「安心してご乗船いただきたい」と述べた。
続くにっぽん丸の藤川悟ツアーディレクターはモーリシャスの魅力と予定している寄港地ツアーを紹介。2つの世界遺産を抱く同国は観光資源が豊富であることをアピールした。寄港地ツアーでは、サトウキビの収穫体験ののちに、収穫したサトウキビからできた砂糖を持ち帰る企画や、商船三井が支援している学校を訪問するツアーなどを予定しているとした。
その後に登壇したにっぽん丸の蘇武雄クルーズディレクターは、同船の食事を紹介しつつ、「長いクルーズは後半になれば仕入れの問題、保存の工夫がある。それでもにっぽん丸は長期クルーズの経験が豊富で、南米航路時代から継承された秘伝の技もあり、多彩な食事を提供する」と語った。同クルーズのエンターテイナーに堀内孝雄氏、秋川雅史氏、庄野真代氏、川井郁子氏を、船内講演者に藤原幸一氏、青山千春氏を予定していることも明かした。
同クルーズの詳細は下記の通り。
■日程
2022年12月15日(木)~1月31日(火)
■コース
横浜~石垣島~シンガポール~マーレ(モルディブ共和国)~ポートルイス(モーリシャス共和国)~トゥアマシナ(マダガスカル共和国)~シンガポール~横浜
■クルーズ代金
181万(スタンダードステート)~815万円(グランドスイート)
■にっぽん丸公式サイト
https://www.nipponmaru.jp/
写真は左から田中副社長、島理事、会場で紹介されたモーリシャスの料理のひとつ