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酒田港クルーズセミナー開催、国交省クルーズ振興室長など講演
山形県と“プロスパーポートさかた”ポートセールス協議会は13日、酒田港の外航クルーズ船寄港促進を目的とした「クルーズセミナーin酒田――新時代におけるクルーズポート酒田の可能性」を酒田市内で開催した。行政や観光関係者ら約100人が参加した。
国土交通省港湾局の池町円・クルーズ振興室長は「北東アジアを除き、海外ではクルーズ客船が運航実績を重ねている。日本では10月11日から水際対策を見直し、海港も個別に準備が整い次第、順次国際線の受入を再開することとし、再開に向け関係者と調整中だ。あわせて、外国船社による国際クルーズ運航のためのガイドラインを日本国際クルーズ協議会(JICC)に作成していただく必要もある。クルーズ再開後は、船社と地元が連携して、地域への経済効果を拡大させる取り組みが重要だ。例えば地元食材の提供や、上質な寄港地ツアーの造成などの実例がある。ぜひ国交省の支援事業を活用し、新しい取り組みを進めていただきたい」とした。
東武トップツアーズソーシャルイノベーション推進部の濱野一哉・営業担当部長は「寄港地ツアーの受入施設として選ばれるには、多言語化など船社が求める全38項目を満たす必要がある。乗客の約7割が個人行動であり、シャトルバスを降りた後、どう行動してもらいたいか、地元はもっと口を出すべき。地域が主体となってコンテンツの磨き上げをしたことで、大きな経済効果を得られた事例もある。通訳ガイドはボランティアでは限界があり、地元に精通した有償ガイドなど人材育成が求められる」と述べた。
2023年に2回の酒田寄港を予定している、シルバーシー・クルーズの糸川雄介・日本韓国支社長は「外国船はクラスによって乗客の属性やニーズが異なり、受入態勢も違う。自分の店はどのクラスの乗客なら受け入れられるのか、分析しておくことも必要だ。街の魅力を再考し、価値の深掘りをすることが思いもよらない魅力の向上につながる。ラグジュアリー船として初の酒田寄港を成功させることで、2025年以降の継続寄港につなげていただきたい」とした。
今回の講演会の動画は後日、協議会の公式サイトで視聴することができる。
写真1点目:(左から)講演者の糸川支社長、池町室長、濱野部長
写真2点目:講演会の様子