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クルーズ&フェリー学会、コロナ禍の取り組み紹介
日本クルーズ&フェリー学会(会長=赤井伸郎大阪大学教授)は12日、大阪市内でオンラインを併用して総会・講演会を開催した。
国土交通省港湾局の池町円クルーズ振興室長は、コロナ禍でのクルーズの取り組みについて講演。国際クルーズ船協会(CLIA)によると欧米中心に販売が好調となっていることを挙げた。クルーズの経済効果で地元消費が限定的と指摘されていることも挙げ、船社と地元との連携を重視した。
ロイヤル・カリビアン・インターナショナル日本販売代理店ミキ・ツーリストの百武達也クルーズ・カンパニー長は、現在アジアでクルーズ予約が増加しており、特に訪日観光の潜在需要が高まっていることを挙げた。日本語版ウェブサイトの閲覧数も増加しており、クルーズへの関心が高くなっているという。
商船三井客船の川野惠一郎取締役ゼネラルマネージャーは、「にっぽん丸」の取り組みについて講演した(写真1点目)。今後、外航クルーズ再開に向けた状況にも言及。12月15日~1月31日横浜発着のモーリシャスプレシャスクルーズを紹介した。「安全安心の船内でお過ごしいただきたい。お客さまを楽しませられるよう、新たな情熱を作り出していきたい」など語った。
フェリーさんふらわあ旅客営業部の森慶太CSグループ係長は、フェリーを「船旅を楽しむカジュアルクルーズ」として取り組んでいることを話した(写真2点目)。来年就航する国内初のLNG燃料フェリー「さんふらわ くれない」についても紹介した。
三菱造船の森哲也造船設計部次長は、国内フェリーの環境対策について話した。船舶の次世代燃料として挙げられる水素やアンモニアは、タンクが大きくなるため車両スペースが減る可能性があることを指摘。「推進プラントの工夫と燃料転換や電動化を組み合わせた技術革新で、時代の要請に応えることが造船所の使命だ」と述べた。