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JOPA遠藤会長、年頭あいさつ「クルーズ業界の再興に注力」
日本外航客船協会(JOPA)の遠藤弘之会長(郵船クルーズ社長・写真)は、昨年が新型コロナウイルスの影響を受けた一年であったことにふれ、「感染症による影響は引き続き余談を許さないが、当協会としてクルーズ業界の再興に注力していく」など新年のあいさつをした。要旨は下記のとおり。
2023年が皆さまにとって穏やかな一年であることを心より祈念する。昨年は引き続き新型コロナウイルスの影響を受けた一年となった。そんな中、長らく運航を制限されていた世界のクルーズ客船は欧米を中心に運航再開が本格化し、ようやく明るい兆しが見えてきた。
日本では当協会加盟のクルーズ客船が国内の感染状況などにより、たびたび運航中止を余儀なくされた。当協会では感染予防対策ガイドラインを見直し、7月には、船内で新型コロナ感染者を確認した場合でも、一定の基準を満たせば運航継続を可能とする第7版を公表。11月には国際クルーズに対応した第8版を公表し、国際クルーズ再開への道筋をつけることができた。今後は加盟船社と各港湾をはじめとした関係機関との調整の上、国際クルーズを再開していく。
外国籍クルーズ船についても、関係団体である日本国際クルーズ協議会(JICC)が感染拡大予防ガイドラインを11月に公表したことから、順次、国内への寄港再開が見込まれる。2020年以来、3年ぶりとなる日本発着クルーズの再開も期待されることから、当協会としてできる限りの対応をしていく。
クルーズ商品の販売促進を目的に、当協会が2003年から導入したクルーズアドバイザー認定制度によるクルーズ・コンサルタント認定試験は、3年ぶりに実施することができ、昨年までの合格者数は8,146人に達した。クルーズに精通した販売要員の育成はマーケットの拡大に不可欠であると確信する。当協会は引き続き、クルーズ業界の振興・発展のため貢献していく。
国際定期旅客船については、10月に感染予防対策ガイドラインを改訂し、第3版を公表。JR九州高速船「クイーンビートル」、サンスターライン「パンスタードリーム」、関釜フェリー「はまゆう」が旅客運航を再開した。今後は、当協会加盟会社であるカメリアライン「ニューかめりあ」による旅客運送の再開が待たれる。
今年1月には当会加盟会社の日本クルーズ客船が客船事業を終了する。コロナ禍がわが国クルーズ業界に及ぼした影響は甚大なものとなり、非常に残念だ。一方、郵船クルーズと商船三井客船が新造船の就航を予定しており、将来的には複数隻体制を目指す動きもあるなど、クルーズ市場の発展に大きく寄与するものと期待される。感染症による影響は引き続き余談を許さないが、当協会としてクルーズ業界の再興に注力していく。