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ロイヤル・カリビアン、マイヤー・トゥルクと戦略的合意
ロイヤル・カリビアン・グループ(RCG)は14日、フィンランド政府、マイヤー・トゥルク造船所(独マイヤー・ベルフト傘下)とカーボンニュートラルのクルーズ船建造に向けた新たなパートナーシップを締結したと発表した。RCGのジェイソン・リバティ社長兼CEOは「将来の技術革新のための舞台を整え、私たちと海事産業の持続可能性を最高レベルで追求できる」としている。RCGは2050年までの脱炭素化を目指しており、2035年までに温室効果ガスの排出が実質ゼロ(カーボンニュートラル)となるクルーズ客船の運航を計画している。
アクションプランには、カーボンニュートラル船を建造するためのロードマップ作成をはじめ、RCG、トゥルク造船所、海事産業のイノベーションの強化が盛り込まれている。また、フィンランド政府の持続可能な海事産業開発プログラムの一環として、カーボンニュートラル船のデジタル・デモンストレーションを制作するほか、RCGの新造船に新技術をパイロット導入し、試験運用していく。
マイヤー・トゥルク造船所では今月9日にロイヤル・カリビアン・インターナショナル向けに建造中の「アイコン・オブ・ザ・シーズ」(25万800トン、2024年1月就航予定)が進水している。今回の合意について、トゥルク造船所のティム・マイヤーCEOは「業界として、船舶の設計、建造、運用方法を革新し、適応させることができる。この挑戦は、フィンランドの海事産業が世界をリードし、新しい技術と製品を市場に投入する大きな機会を提供する」としている。
フィンランド経済省のミカ・リンティラ氏は、「フィンランドの海運エコシステムは、トゥルク造船所の革新性、専門性、技術によって成り立っており、『アイコン・オブ・ザ・シーズ』は、ここフィンランドで建造できる最新例。この新しい合意は、海事産業が今後何年にもわたって脱炭素化目標や経済成長の優先事項を継続的に前進させ、未来を確実なものにするだろう」と述べた。
RCGは「アイコン・クラス」の2番船、3番船の建造についてトゥルク造船所と契約済み。同造船所ではRCGの合弁会社、TUIクルーズ向けの新造船「マイン・シフ7」(11万1500トン、2024年就航予定)の工事も進んでいる。