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NZ、バイオセキュリティーで入国拒否相次ぐ
ニュージーランド当局のバイオセキュリティー対策で、クルーズ船が相次いでスケジュール変更を余儀なくされている。昨年暮れから先週末までにキュナードの「クイーン・エリザベス」(9万901トン)はじめ4隻が港からの退去や入港拒否の対象となっている。バイオファウリングと呼ばれる藻やフジツボなどの海洋生物が船底に付着していたためで、各船ともニュージーランド沖やオーストラリアの港で急きょ、ダイバーや乗組員が船体を洗浄し、クルーズを続行した。
現地メディアなどによると、プリンセス・クルーズの「コーラル・プリンセス」(9万1627トン)は昨年12月中旬、同国への寄港が止められ、オーストラリア・ニュージーランドを巡る14日間クルーズが一時中断。ハイライトの一つだったミルフォードサウンドへの訪問が見送られたが、船底洗浄後はクルーズを再開し、ニュージーランドの港に寄港した。
前後して、バイキング・オーシャン・クルーズの「バイキング・オリオン」(4万7861トン)、リージェント・セブンシーズ・クルーズの「セブンシーズ・エクスプローラー」(5万5254トン)が入港を許可されず、ニュージーランドの複数港をそれぞれ抜港した。
クイーン・エリザベスは昨年12月に入港できたが、今回は再入国を拒まれた。洗浄のため1月7日のシドニー出航は延期され、ミルフォードサウンドを含むフィヨルランド国立公園やダニーデンの寄港は見送られたが、クライストチャーチ、ウェリントン、タウランガ、オークランドなどへの寄港は予定どおり行われる見込み。
船舶のバラストや船体に付着して運ばれるさまざまな海洋生物は、地域の生態系や水産業、健康などへ深刻ダメージを与える可能性があるため、各国は国際的なルールやガイドラインに沿ってそれらの侵入を防ぐための対策を講じている。その一環としてニュージーランドの第一次産業省(MPI)は、2018年5月から規制を強化している。