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フランスのアトランティック造船所とオリエント・エクスプレス（アコー・グループ）は12日、帆装型クルーズ客船2隻の建造について内定したことを明らかにした。数週間のうちに正式契約する見通し。第1船の「オリエント・エクプレス・シレンシア（Orient Express Silenseas）は2026年3月、第2船（船名未定）は2027年9月1日に竣工する予定。

シレンシアは、完成時には世界最大の帆船になると同時に、環境の観点からも先進の船となる見込み。アトランティックが開発した「ソリッドセイル」は、帆がエンジンと並行して動作し続け、希望の速度を維持しながら、ほとんどの風条件で船を運航できるという。3枚のセールは、それぞれ1500平方メートル（総帆面積4500平方メートル）の表面積を持ち、扇状に折り畳めるグラスポリエステル・パネルで製作。マストは傾けることができ、高さは100メートル以上に達する計画。また、LNG（液化天然ガス）を燃料とするハイブリッド推進も採用予定。

シレンシアは乗客定員120人。4つのデッキに70平方メートルから1415平方まで、約50室のスイートルームを配置。二重らせん階段、スパ、マリーナ、2つのレストラン、ラウンジバー、シアター、レコーディング・スタジオなどを設ける。

同船は1930年代に同船造船所で建造した伝説の豪華客船「ノルマンディー」と130年以上の歴史を誇るオリエント急行にインスパイヤされたとし、「この2つの旅の中間に位置するユニークな体験を提供することを目指す」（アコー）。