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スペースX、スターリンクでクルーズ業界を”席巻”
カーニバル・コーポレーションは18日、保有船にスターリンクを導入することでスペースXと契約したと発表した。同社はカーニバル・クルーズ・ライン、アイーダ・クルーズを手始めに、プリンセス・クルーズ、ホーランド・アメリカ・ライン、シーボーン、キュナード、P&Oクルーズといったブランドにも導入していく計画。
大手クルーズ船社ではロイヤル・カリビアン・グループが既に昨年8月、スターリンクの導入を明らかにしている。傘下のロイヤル・カリビアン・インターナショナル、セレブリティ・クルーズ、シルバーシーで順次整備を進めている。
現在、クルーズ船上のWi-Fiサービスは陸上に比べ使用料が割高で、通信速度が遅かったり、大容量のやり取りに適さなかったりすることなどから、クルーズ業界では安価で高速、快適なサービスの提供が課題となっている。
スペースXが運用するスターリンクは、衛星を使ってインターネット・アクセスを提供するサービス。地球のほぼ全域からアクセスでき、航海中でも低遅延、最大ダウンロード速度350Mbpsの高速インターネットが利用可能としている。設備の設置費用、通信費は従来に比べ大幅に低減できるという。使用料の大幅な値下げや無料化につながるのか、乗客や乗組員の関心も高まっている。
海洋版スターリンクの登場(昨年7月)は、インターネット接続がネックとされてきたクルーズ業界にとって朗報だったようで、発表後わずか半年でロイヤル・カリビアン・グループ、フッティルーテン、シードリーム・ヨットクラブ、カーニバル・コーポレーションなどが導入を決めた。ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングは「ノルウェージャン・ブレイクアウェイ」(14万5655トン)に試験搭載し、採用を検討しているほか、米国内でリバークルーズを展開するアメリカン・クルーズ・ラインも今月初めにスターリンクの利用を明らかにしている。