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CLIA予測、クルーズ人口は3150万人に急伸

2023.03.29
業界

クルーズライン・インターナショナル・アソシエーション(CLIA)は28日、2023年の世界のクルーズ人口がコロナ禍前の2019年比で106%、3150万人に達するとの見通しを明らかにした。マイアミで開催中の展示会「シートレード・クルーズ・グローバル」で行われた基調講演「クルーズ産業の現状2023」で発表した。

 

CLIAは今後のクルーズ需要、供給量、取り組み課題などについて、概略以下のとおり報告した。

 

[世界のクルーズ人口]

2019年の世界のクルーズ人口は2970万人だったが、コロナ禍で2020年は580万人、2021年480万人にまで落ち込んだ。年後半に運航が再開した2022年は2040万人まで急回復。今後は2023年3150万人、2024年3600万人、2025年3720万人、2026年3850万人、2027年3950万人に達するとCLIAは予測している。

 

[キャパシティ・新造船]

世界の乗客収容能力(下段ベッド換算)は毎年増加し、2028年は2022年比19%増の74万6000床以上になると予測。2023年に就航する新造船は14隻(2万9527床)で、平均乗客定員は2109人。2028年までに44隻(12万759床)の新造船が就航予定。

 

[トレンド]

2022年のクルーズ・マーケットは依然、北米が世界最大で、西ヨーロッパ、オーストラリア・ニュージーランド、南米が続いた。特に中南米は増加している。乗客の目的地はカリブ・バハマ・バミューダが最も多く、以下アジア・中国、地中海を含むヨーロッパ、北ヨーロッパ、アラスカなど。港への訪問者数はマイアミがトップの509万6000人。以下、ポートカナベラル430万8000人、コズメル389万3000人、フォートエバーグレーズ352万4000人ナッソー331万2000人、上海325万8000人だった。

 

[船舶燃料]

LNGは現在、大規模に利用できる最もクリーンな燃料だが、一方でクルーズ会社は、先進的なバイオ燃料や合成燃料、メタノール、水素、燃料電池、バッテリーなどの再生可能エネルギーを含むゼロエミッション燃料を模索している。バイオLNGや再生可能な合成LNGがより広く利用できるようになれば、LNGを燃料とする船舶やインフラ(港)は、これらの燃料を使用し、供給することができる。CLIA加盟の船隊の75%がサステイナブル燃料を利用できるようになる。2023年から2028年にかけてデビューする予定の船舶の60%は、主推進にLNG燃料を使用することになる。

 

[陸電供給システム]

CLIA加盟の船隊のうち、陸上電源供給システムを持つ船の数は、2028年までに2倍以上に増加する。2028年までに建造されるCLIA加盟船はエクスペディション船を除き、すべてが陸電供給システムを搭載する予定。現在、全船腹の30%の船がプラグイン対応となっているほか、30%が改修してシステムを導入する。

 

世界のクルーズ港のうち、陸上電力が供給されているのは29港で、さらに20港が資金調達中または計画中(2025年まで)。世界のクルーズ港で陸電が供給されているのは2%未満で、2025年までに3%が対応する見込み。

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