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仏船社ポナン、ゼロ・カーボンを目指す新造船計画を発表
フランス船社ポナンは、風力補助推進が可能な新造船計画を発表した。同社は持続可能なクルーズの実現に取り組んでおり、新造船はカーボンニュートラルへの取り組みを推進する最新鋭のエコシップと位置づけている。新造船は同社にとって14隻目になる。
新造船は風力を利用して航行する帆船で、船上に太陽光発電パネルなどを備える。以前もタッグを組んだ造船デザイン会社のスターリング・デザイン・インターナショナルと手を組み、2030年の就航を目指して現在造船所を選定中だ。
新造船は約100室、全長181メートルを予定。環境に配慮した以下の6つのコンセプトに基づきデザインされている。
1.風力を利用して推進エネルギーの平均50パーセントを供給するセイル・パワー・システムを備える
2.合計1,000平方メートル以上の表面積を持つ太陽光発電パネルと、構造体と帆に組み込まれた新世代の有機ソーラー・エコデザイン・デバイスを有す
3.液体水素で推進力を得る低温燃料電池で、生成された水と熱は船内でリサイクル活用する
4.高温燃料電池は船のホテル負荷要件を満たし、放出した熱を回収し、温水の生産に使用する
5.高温燃料電池と組み合わせた、船上での炭素回収技術を備える
6.発電機を使用せずに電力を制御・分配する革新的な特注エネルギー管理システムを有す
ポナンのエルヴェ・ガスティネルCEOは、「未来の私たちの船で、2030年までに航行中、操船中、港内、停泊中の温室効果ガス排出ゼロを目指す。風と太陽から供給される再生可能エネルギーを利用し、燃料電池による低炭素の非化石エネルギーと組み合わせ、ライフサイクルを通じて二酸化炭素排出量を削減する」と説明している。
ポナンはこの新造船計画を含んだプロジェクトを「Swap2Zero」と名付け、地球温暖化を抑制するための大きな目標である脱炭素化を促進する。その技術開発に携わる研究者を同社に受け入れるとしている。
画像は新造船完成予想イメージ。