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創設40周年のピースボートクルーズ、ウクライナの若者を世界一周に招待
東京国際クルーズターミナルに停泊中の「パシフィック・ワールド」同船上で18日、ピースボート創設40周年記念パーティーが開催された。同船は2023年4月からコロナ禍後初の日本発着の世界一周を実施、その後8月に行われた日本一周クルーズから帰港したタイミングでのパーティー開催となった。
プリンセスシアターで行われた記念トークイベントには、約50カ国の在日大使館から30人以上の大使と関係者、そして過去の乗船者などおよそ900人が集まった。壇上に立った共同代表・吉岡達也氏は、日本に避難しているウクライナの若者を世界一周クルーズに招待し、戦争の実情を伝える「ウクライナ・ユース・アンバサダーズ」プログラムを年内に開始すると発表した。
ピースボートクルーズとウクライナの縁は深く、過去100回以上のクルーズのうち、20回以上をウクライナ船籍の「オリビア」(前身の「カレリア」含む)で実施している。加えて、パシフィック・ワールドのビクター・アリモフ船長やバー・マネージャーらは同国オデーサ出身でもある。そして過去チャーター船でも数多くのオデーサ出身クルーがサービス部門に所属していた。
新プログラムが発表後に登壇した、ウクライナのセルヒー・コルンスキー駐日大使は「現在寄港地にオデーサを入れることはかなわないが、戦争が終わったら必ず皆さまが美しいオデーサを見てくれると願っている」とスピーチ。吉岡氏も戦争終結後のオデーサ寄港を約束した。
その後、パーティーの会場をアトリウムに移し、レセプションや日本ラテンアメリカカリブ振興協会(JAPOLAC)共催サルサイベント「カリブ海のリズム」を開催。参加者がサルサのリズムに合わせて軽快に踊り、イベントを盛り上げた。また、インターナショナルカフェにはピースボート40年の歴史を振り返ることができる写真パネルと、ピースボートが国際運営団体をつとめる「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が2017年に受賞したノーベル平和賞メダルと賞状の実物が展示され、それらを眺める人たちでにぎわった。
ピースボートは1983年に第1回クルーズを実施して以来、過去100回以上の船旅で延べ8万人を乗せ、200カ国以上へ寄港している。
写真は左から東京国際クルーズターミナルに停泊中の「パシフィック・ワールド」、新プロジェクト発表の様子、サルサパーティーの雰囲気