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郵船クルーズ新造船名は「飛鳥Ⅲ」、船籍港は横浜に
郵船クルーズは14日、2025年に就航予定の新造船名を「飛鳥Ⅲ」と発表した。あわせて船籍港は横浜港とする。横浜市役所で行われた共同発表で明らかにした。就航時期に関しては、これまで2025年としていたが、2025年の夏であるとした。
飛鳥Ⅲという船名は、1991年に就航した初代「飛鳥」から受け継がれている。郵船クルーズの遠藤弘之代表取締役社長は命名に込めた思いとして、「新しいクルーズシップという存在にとどまらず、クルーズを通して日本文化のすばらしさを伝えながら、人と人、人と地域、地域と地域をつなぐ取り組みを行っていく。そして日本のクルーズ文化の未来を開いていきたい」と語った。
就航までのスケジュールとしては、2023年秋にドイツのマイヤー・ベルフト造船所で建造開始、2025年の早春には進水し、2025年春にはドイツから日本へ回航して、2025年夏の就航となる。現在郵船クルーズが運航している飛鳥Ⅱ(5万444トン)との2隻体制の運航となる。郵船クルーズの歴史の中でも初の2隻体制の運航で、両船あわせて総トン数10万超トン、乗客定員1600名と日本の外航クルーズ客船運航会社としては最大規模となる。
これについて郵船クルーズの遠藤社長は「日本のクルーズマーケットは成長を続けているが、世界の国々、例えばドイツなどと比してその伸び率は緩やかだ。これに関しては日本船籍が増えてこなかったというのも一因にあった。今回1隻増えることにより、日本の市場をさらに開拓していきたい」と意気込みを語った。さらに具体的なクルーズスケジュールは今後の発表となるが、新造船では世界一周クルーズを実施する可能性もあるとした。
今回横浜港が船籍港になることに関して、横浜市の山中竹春市長は「横浜港の歴史の中でも郵船クルーズとの関係は深く、飛鳥、飛鳥Ⅱは横浜港から実に1000回以上も出航している。今回新造船建造に当たって横浜を母港としていただけるように、私からも直接お願いに当たった経緯もあり、船籍港を横浜にしていただけて非常にうれしく思っている」と語った。
さらに山中市長は「横浜市は現在脱炭素化に注力している。飛鳥Ⅲは日本初のLNG燃料船であり、陸上電力受電装置を採用している。こうした環境に配慮したクルーズ船であることも発信していきたい」と抱負を述べた。
写真右は郵船クルーズの遠藤弘之代表取締役社長、右は横浜市の山中竹春市長