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ロイヤル・カリビアン、バイオ燃料利用で前進

2023.09.20
業界

ロイヤル・カリビアン・グループは19日、大型客船2隻によるバイオ燃料試験に成功したと発表した。同社はロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)の「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」(22万8081トン)とセレブリティ・クルーズの「セレブリティ・エイペックス」(12万9500トン)を使って12週間以上にわたる実証試験に臨んでいた。同グループのジェイソン・リバティ社長兼CEOは「ネットゼロ・クルーズの実現に一歩近づいた」とコメントした。

 

二酸化炭素排出量削減の一環として、同グループは昨年からバイオ燃料の試験を開始し、この夏、新たに2隻の大型客船に拡大した。バイオ燃料は、廃油や脂肪など再生可能な原材料を精製し、それらを燃料油と組み合わせて生成した混合燃料。搭載している既存の主機関にそのまま利用できるドロップイン燃料の開発は、海運界から大きな期待が集まっている。

 

シンフォニーはバルセロナ港から、エイペックスはロッテルダム港からの複数回の航海で使用し、データを収集。RCIは品質や安全性に関する運航基準を満たしたことを確認し、バイオ混合燃料の可能性と航行海域の拡大に向けて貴重なデータが得られたとしている。

 

一方、燃料供給のハブを目指すバルセロナ港は既に、グリーン水素やアンモニアなどの炭素ゼロ燃料、メタノール、バイオ燃料、合成燃料などの代替燃料を生産・供給している。今回の成功を受けて、同港のリュイス・サルバド港湾局長は「海運の脱炭素化を加速させるには、港と海運会社の革新と協力が重要」と述べた。

 

ロイヤル・カリビアン・グループは今秋もヨーロッパのクルーズでさまざまな種類のバイオ燃料の使用試験を継続する計画。プライヤーや港湾との戦略的パートナーシップを模索している。

 

写真:シンフォニー〈左〉、エイペックス〈右〉 提供:RCI、セレブリティ

 

ロイヤル・カリビアン、バイオ燃料利用で前進
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