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カーニバル、アラスカでバイオ燃料供給に貢献
ホーランド・アメリカ・ライン(HAL)、プリンセス・クルーズの2大ブランドでアラスカ・クルーズを展開しているカーニバル・コーポレーションは現地の環境対策を積極的に進める一方、地域の循環型経済の実現を目指し、新たな技術や燃料開発に取り組んでいる。
アラスカで陸上事業を展開するカーニバル・グループの旅行会社、ホーランド・アメリカ・プリンセス・ツアーズ(HAP)は、ジュノー全域でツアーバスの排出量を削減する新しい方法を、パンデミック前の2018年から模索していたという。その一つとして、近隣のレストランから廃棄される食用油から作られるバイオディーゼル燃料を使用することが、理想的な解決策と考えていた。レストランの廃食油をディーゼル燃料に約10%混ぜて排出ガスを削減する対策だった。
しかし、その後パンデミックが起き、陸上でも海上でもレストランの多くが休業したことで、使用済み油は急減。パンデミックが長引くにつれ、バイオ燃料を製造するための原料が不足し始めた。
そこで、HAPがバイオディーゼル燃料をバスに供給し続けるために打ち出したのが、船上での燃料製造だった。地元業者と協力し、2022年に就航した新造船「ディスカバリー・プリンセス」(14万5281トン)の使用済み食用油を船上で分離し、バイオ燃料/バイオディーゼル製造用に確保する計画を立てた。今ではジュノーの港での積み下ろしの手順を解決し、油のテストも完了。バイオ燃料の供給不足を埋めるのに役立っているという。
HAPは「目標は来年の夏に向けてこれを拡大すること」とし、海から陸へ可能な限り効率的かつ効果的に資源を利用することは、アラスカの環境と地域社会に多大な利益をもたらす、究極の循環型ソリューションと位置付けている。
写真提供:カーニバル・コーポレーション