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商船三井クルーズとJTB、連携協定締結を発表
商船三井クルーズと旅行会社JTBは、クルーズマーケット拡大に向けた連携協定を11月10日に締結した。その第一弾として、JTBが「ミツイ オーシャン フジ」をチャーター、91日間の南米ワールドクルーズを実施する。
両社はこれまでも、商船三井クルーズが運航する「にっぽん丸」チャーター事業などを行ってきた。更なるクルーズマーケット拡大に向け、このたび連携協定を締結するに至ったという。
10日、都内にて行われた記者会見にて、JTBの花坂隆之代表取締役・専務執行役員は今回の提携の目的として「新たなクルーズ体験価値の提供による地域振興への貢献ならびに新たなクルーズマーケットの掘り起こしによるラグジュアリー層の獲得」を挙げた。
その上で下記の3点について協業を推進していくとした。
1.寄港地コンテンツの開発
2.訪日インバウンドの強化
3.クルーズ商品開発
1の寄港地コンテンツの開発については、体験アクティビティ事業者向けにオンライン予約販売決済ができるシステム「JTB BOKUN」を活用する。これによりシームレスな予約決済を実現し、新たな体験価値を提供していく。さらに「体験」を重視し、アドベンチャークルーズの開発も行っていく。
2の訪日インバウンドの強化については、JTBの在外拠点ネットワークを最大限活用し、市場ニーズを把握、現地プロモーションを実施していく。さらにはワンストップサービスを担う。
3のクルーズ商品開発については、商船三井クルーズが目指す「日本発祥のウェルビーイング」の具現化を目指す。加えてワーケーションやサブスクリプションなどを盛り込んだ企画も考えていく。
花坂隆之代表取締役・専務執行役員は今後のクルーズ事業における戦略について、「2019年に日本のクルーズ人口は35万人だったが、今後この3倍程度は目指したい。ただこれは単なる数値目標ではなく、数と質の両面で、クルーズ市場の裾野の拡大を行っていきたい。これまでクルーズはリタイアされた方がラグジュアリーなものを楽しむというシニアマーケットが中心だったが、若い世代の方々にも乗船いただける機会を設け、マーケット層をさらに拡大したい」と抱負を語った。
商船三井クルーズの上野友督代表取締役・社長執行役員は「ミツイ オーシャン フジは日本に根差し、日本発祥のウェルビーイングを提案する。洋上だからこそ体験できる健康的な旅を実施していきたい。JTBからはこれまで『飛んでクルーズ北海道・沖縄』の企画などを提案していただいた。その高い企画力を今後も発揮していただきたい。さらにインバウンド対策にも期待している」と述べた。
写真左が商船三井クルーズの上野友督代表取締役・社長執行役員、右がJTBの花坂隆之代表取締役・専務執行役員