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東京都、5年ぶりクルーズセミナー開催、MOLカウフマン氏講演も
東京都港湾局は15日、都内で「東京クルーズセミナー」を開催した(東京港埠頭、東京都港湾振興協会共催)。同セミナーの開催は2019年以来5年ぶり。2025年の受入再開を目指して再整備中の晴海埠頭や、客船の寄港が増えている島しょ地域について紹介したほか、商船三井のクルーズ事業革新プロジェクト・ユニット・シニア・エグゼクティブ・アドバイザーを務めるアンソニー・カウフマン氏(写真2点目)がクルーズ業界の最新情報について基調講演を行った。
東京都の客船誘致の施策について都港湾局の三浦知・港湾振興担当部長(写真1点目)は「東京港の客船寄港回数は2023年に49回と2015年以降で最多となり、2024年はそれを上回る予約が入っている。船社から希望があれば品川駅までのシャトルバスを運行し、今後は東京駅までの運行も検討している。2025年に受入再開を目指す晴海埠頭は平屋の建物とし、大きな空間を設けてパーテーションでレイアウト変更することで、客船サイズなど状況に応じたオペレーションを実現したい。キャパシティは従来どおり1000人程度を想定している」と説明した。島しょ地域にも客船の寄港が増えており、伊豆大島や神津島ではゾディアック(エンジン付きゴムボート)による海岸への上陸も可能という。
商船三井のカウフマン氏は「コロナ後、世界のクルーズ業界は力強く回復しており、2022年から2028年に客船のキャパシティは20パーセント増との予測がある。アジアクルーズを牽引してきた中国の失速により、アジアのクルーズビジネスは変化の局面にある。日本のクルーズ市場が中長期的にどの程度伸びるかは未知数だが、可処分所得のある層が多く、クルーズに行ったことのない人も多い。これは伸びしろが多いということでもある。訪日旅行客にとって日本は魅力的な旅行先であり、特に東京は磁力の強いデスティネーションだ」と分析した。