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神戸港クルーズセミナー、客船誘致で意見と期待

2024.01.25
業界

神戸市客船誘致協議会と神戸港振興倶楽部は共催で17日、「神戸港クルーズセミナー」を神戸メリケンパークオリエンタルホテルで開催した(写真)。「客船のまち・神戸の発展に今必要なことは~クルーズ関連業界の視点から~」と題して行われた。冒頭、同協議会の大岩根禎一会長(神戸観光局港湾振興部専務理事)があいさつに立ち、能登半島地震の犠牲者に哀悼の意を表し、被災者にお見舞いの言葉を述べた。神戸港のクルーズについては、「コロナ後で国際クルーズが再開となった。今年も多数の入港が予定されている。協議会では乗船客の安全かつスムーズな乗下船はもとより、神戸港における客船入港時のもてなしを強化するため、『おもてなし部会』を設置して取り組んでいる」など話した。

 

神戸港の客船受入状況は、神戸市港湾局振興課の瀬沢孝至客船誘致担当課長が説明した。コロナにより外国客船の寄港がなくなり、2021年は日本船だけで31隻で、22年も59隻だった。23年3月に国際クルーズが再開されたことで外国船57隻、日本船34隻が寄港した。客船が発着クルーズのために寄港すると、前泊・後泊の宿泊や船に積み込む食材など必要になり経済波及効果があることを示した。昨年9月には欧州での国際展示会に出展するなど客船誘致活動も実施。乗下船客の手荷物を一時的に預かるサービスも紹介した。

 

日本国際クルーズ協議会(JICC)の糸川雄介副会長は外国船社の視点から講演。ラグジュアリークラスのシルバーシー・クルーズで、日本発着クルーズの乗客の国籍が米国30%、英国23%、豪州ニュージーランド14%、EU10%など挙げ、日本では桜やローカルの人々との交流など好評な点を示した。一方、ガイドの英語力が高くなく、地方もコンテンツが少なく、しだいに都市への寄港が増えているという。また韓国への寄港を増やしたところ、ガイドの英語力も高く乗客からも高評価だった。今後、欧米市場向け、日本市場向け、アジア市場向けと分けて、船社が安定して配船を継続するような施策に取り組むことを指摘した。神戸港については、関西発着クルーズの利便性が高く、寄港地としても都市型観光地であり、世界的観光都市の京都へのアクセスをもつことを重視。課題として欧米からの航空路線の脆弱性や、寄港地の魅力の情報発信やコンテンツ開発を挙げ、今後のクルーズポートとして期待した。

 

郵船クルーズの髙橋幸男常務執行役員は日本船社の視点から話した。コロナ禍で「飛鳥Ⅱ」によるクルーズが国内回帰を見せて、日本工芸会とのコラボレーションを行うなど取り組んだ。来年就航する新造船「飛鳥Ⅲ」が環境にやさしいことなど優れた性能を紹介した。JTBグローバルマーケティング&トラベルの藤田宗則クルーズ営業部長は、寄港地観光の手配など行うランドオペレーターの視点から述べた。求められる観光コンテンツとして、その土地にしかないような歴史や自然景観、食事など特定のテーマに沿ったツアーで物語を作ることを話した。そうしたツアーやコンテンツを来日した乗客に満足してもらうのに重要な要素として通訳ガイドを挙げた。通訳ガイドは日本全国で不足し、トップレベルのガイドは高齢化しているという。神戸の魅力あるコンテンツを造成することを強調した。最後に、瀬沢氏がファシリテーターとなってパネルディスカッションを行った。セミナーには協議会のメンバー、倶楽部の会員向けで約70人が参加した。

 

神戸港クルーズセミナー、客船誘致で意見と期待
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