クルーズニュースNews
大阪港、天保山客船ターミナル開業式典を開催
大阪港湾局は5日、建屋を新しくした天保山客船ターミナルのオープニング・セレモニーを開催した。この日は「セレブリティ・ミレニアム」(9万1011トン)が寄港し、祝賀ムードに華を添えた。
新しいターミナル建屋は3階建て、延べ床面積5,780平方メートルと広さは改装前の約2倍になった。2層吹き抜けのエントランスの天井は帆船の帆をイメージ。壁はサンゴ、床は砂浜をモチーフにデザインした。建屋2階を岸壁と同じに高さにすることで、これまであった段差をなくして利便性を高めるなどユニバーサルデザインに配慮した設計となっている。岸壁は22万トン級対応。
主催者としてあいさつに立った横山英幸・大阪市長は「今年の大阪港の客船寄港回数は過去最多となる予定だ。2025年には万博も控えており、乗客の皆さんには来年もぜひお越しいただきたい」と述べた。
来賓あいさつでは、吉村洋文・大阪府知事が「大阪市長だった9年前に『天保山をこれからどうするか』という議論の中で、大型客船に対応できる素晴らしいターミナルを造ろうとなった。市と府は協力して都市戦略を実施しており、このターミナルもその一環だ。ここが世界とつながる海の玄関口になると確信している。客船の母港化も重視している」とした。
そのほか、日本外航客船協会の遠藤弘之会長(郵船クルーズ社長)は「大変広いスペースで動線を意識した乗下船のオペレーションが可能で、世界的な水準の港と認識している」と祝辞を述べた。日本国際クルーズ協議会の堀川悟会長(カーニバル・ジャパン社長)は「出入国手続きは2〜3時間で完了できる体制づくりをぜひお願いしたい」とした。
基調講演として池田良穂・大阪大学名誉教授が登壇。「客船の母港化により7万トン・2500人規模の客船が年間配船となった場合の経済波及効果は、母港なら207億円、寄港のみなら20億円とその差は10倍だ。天保山ターミナルの強みは商業施設に隣接し、町の中心部にも近いことで、このような港は世界にもほとんどない。さらに周辺の3つの空港は母港化のキーワードになる」と述べた。
丸山順也・大阪港湾局長がターミナルのコンセプトや特徴を説明したあとには、ロイヤル・カリビアン・グループのウェンディ山崎・アジア地域政府担当副社長があいさつし、「大阪港にとって重要なこの日に最初に寄港した船であることをうれしく思う。2024〜25年のセレブリティのアジアクルーズではナイトライフを楽しめるよう停泊時間を増やしている。大阪港を成長させるために極めて重要な役割を果たす体制を整えており、クルーズ業界をさらに発展させるために日本のパートナーとの継続的な協力を熱望している」と述べた。
写真1点目:天保山客船ターミナル外観
写真2点目:大阪港に寄港するセレブリティ・ミレニアム
写真3点目:式典でのテープカット