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シアトル港、2027年から陸電接続を義務化

2024.06.12

シアトル港委員会は11日、2027年から同港を母港とする全てのクルーズ船に、陸上電源の使用を義務付ける命令を可決した。港湾当局が独自に陸電利用を義務化したのは、米国内で初めて。陸電供給への全面的なシフトについて同港は2030年を目標としていたが、3年前倒しで施行することになった。

 

この命令の提案者、シアトル港のフレッド・フェレマン長官は「商業協定に要件を盛り込み、母港に停泊する全てのクルーズ船が陸上電源を利用するように保証することとで、シアトル港は地域社会と気候への影響を最小限に抑えながら、経済的な機会を生み出す方法を示し続けている」と述べ、目標達成は「クルーズ業界とシアトル港が、船舶と陸上施設の両方に多額の投資を行って初めて可能になる」としている。

 

また、共同提案者のシアトル港委員会のハムディ・モハメド委員長は「この命令は、持続可能性戦略の説明責任と監視に対する、私たちのコミットメントを示す強力な施策」と語った。シアトル港が進めているピア66の電化は最終段階で、今夏にはクルーズ船を岸壁電源に接続する計画。これにより、3カ所あるバースの全てで陸電供給が可能となる。

 

岸壁電源に接続することで、停泊中のクルーズ船からのディーゼル排出ガス量は平均で80%削減される。2023年のシーズン中、陸電を使用したクルーズ船は、2700トンの温室効果ガスと0.75トンのディーゼル粒子状物質の排出を回避した。これは、乗用車約650台が1年間走行した場合の排出量に相当するという。

 

写真提供:シアトル港

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