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ポナンの脱炭素大洋横断船、EUが基金で開発支援

2024.10.28
業界

フランスのクルーズ船社ポナンは25日、同社が開発中のカーボーン・ニュートラルを目標にした初の大洋横断船「Swap2ZERO」プロジェクトが、欧州連合(EU)のイノベーション・ファンド(INNOVFUND)の支援を受けることになったと発表した。

 

ポナンは2030 年までに航行・操船、停泊中も含め、温室効果ガスの排出ゼロを目指している。INNOVFUNDは、企業や公的機関による最先端の低炭素技術への投資を促進する基金で、EU排出量取引制度(EU ETS)からの収入を財源としている。脱炭素技術開発の支援する基金としては、世界最大級の資金援助プログラム。

 

同プロジェクトは6つの主だった脱炭素化技術を組み合わせて、1カ月の自立運転で二酸化炭素(CO2)換算排出量ゼロを目指している。
① 帆装システムと船体
風力で推進エネルギーの平均50%を賄う帆装システムと船体構造
② 太陽光発電システム
新世代の有機半導体を使用した太陽光発電パネルを、船の構造物や帆に装備(総面積1000平方メートル)
③ 低温燃料電池
推進用に液体水素を燃料とする低温燃料電池。生成される水と熱は再利用。
④ 高温燃料電池
船内ホテル部門の負荷要件を満たす高温燃料電池。放出される熱は回収され、温水生産に使用
⑤ 船上炭素回収技術
高温燃料電池と連動した船上炭素回収技術
⑥ 革新的なエネルギー管理システム
発電機を稼働させずに電力を制御・分配するエネルギー管理システム

写真提供:ポナン

ポナンの脱炭素大洋横断船、EUが基金で開発支援
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