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JR九州、JR九州高速船の船舶事業から撤退
2024.12.24
フェリー
JR九州は23日、JR九州高速船の船舶事業からの撤退を決定した。浸水隠ぺい問題を起こした「クイーンビートル」(写真)の運航再開に向け、全社で安全管理体制を見直し、船体のハード対策を検討してきたが、ハード対策を施しても船体へのクラック発生のリスクを完全に払拭できず、運航再開に向けた確実な安全が担保できないと判断。今後の継続的な事業運営などを総合的に勘案した結果、撤退を決定したとしている。現在行われている福岡海上保安部の捜査には今後も真摯に対応するとした。
JR九州は「クイーンビートルの運航再開をお待ちいただいたお客さま、運航再開に向けて協力いただいた皆さまのご期待に沿えなかったことを深くお詫び申し上げる。長年にわたりJR九州高速船の日韓航路などを支えてくださった皆さまに心より感謝申し上げる」とした。
JR九州の国際定期航路は、1991年にJRグループ初の国際航路として、福岡~釜山間に高速船「ビートル二世」を就航したのが始まり。2005年、JR九州船舶事業部より分社化し、JR九州高速船が運航を開始。2011年には対馬~釜山航路に新規就航した。2018年には博多~対馬間で国際線と国内線の旅客が同じ船舶に混在する混乗便の運航を日本で初めて開始した。
「クイーンビートル」はオーストラリアで建造、2020年に竣工・引き渡しを行ったが、コロナ禍の影響で国際航路に就航できずにいた。2021年に沿岸輸送特許を取得、国際線再開までの期間限定で国内遊覧運航を開始した。2022年3月には船籍をパナマから日本(福岡)へ変更。2022年11月にようやく福岡~釜山航路(国際線)に就航したばかりだった。
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