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新造クルーズフェリー「パンスターミラクル」就航。金会長「船旅の概念変える」

2025.04.15
フェリー

韓国パンスターの新造クルーズフェリー「パンスターミラクル」が13日、就航した。14日に大阪港に初入港し、船内で式典が開催された。

 

同社にとって初めての新造クルーズフェリーとなる。韓国の大鮮造船で建造され、今月から開幕した大阪・関西万博に合わせて就航した。

 

パンスターグループの金泫謙会長は、「今年は日韓両国が国交を樹立して60周年という節目の年でもある。新たに就航した「パンスターミラクル」が両国民の交流と友好をさらに深める一助になることを願っている」と話した。

 

新造クルーズフェリーは2万2000総トンで、全長171m、幅25.4メートル。客室は計102室となり、乗客定員は355人。

 

低軌道衛星を活用した高速Wi-Fiも導入。また航行中の安定性を保つフィンスタビライザーや、緊急時に最寄りの港に安全に戻れるセーフティ・リターン・トゥ・ポートシステム、コロナ禍のような感染症にも備えた空気殺菌システムなど、乗客の安全を守る最新設備も完備した。

 

最上階の8階にある「トップデッキ」では、360度のパノラマビューを満喫できる。7階のメインレストランでは、さまざまな料理をビュッフェスタイルで提供する。屋外には温水プールもあり、夜にはライトアップされ、幻想的な雰囲気も楽しめる。

 

VIPラウンジでは、高級感あるインテリアと厳選されたアート作品を展示。ラウンジ全体に窓が配置され、船首側の眺望も楽しむことができる。5階には本格的なサウナ設備を完備した浴室や、四季折々の食材を使った季節のコース料理を提供する予約制の「レストラン海」、アミューズメントカジノとゲームバーも用意している。

 

主な客室は、オーナーズルーム(定員2人、1人当たりの料金15万円、1室)、プレジデンシャルスイート(定員2人、12万円、1室)、ロイヤルスイート(定員2人、7万円、5室)、バルコニースイート(定員2人、5万円、30室)、オーシャンビュー(定員4人、2万5000円、30室)、インサイドルーム(定員4人、2万円、30室)。通路や客室には、パンスターや日本法人のサンスターラインの社員・役員が選んだ日本と韓国、西洋の絵画を展示する。

 

金会長は、「パンスターミラクルは船旅の概念を大きく変えるきっかけになる。旅客船はもはや単なる移動手段ではなく、乗船そのものが目的となり、船上生活がすばらしい旅の一部となるべきだ。そうした観点から、インテリアや客室設備など、5つ星ホテル水準で設計・建造された」と説明。

 

サンスターラインの舎野祝光代表取締役総括社長は、「パンスターミラクルは立派なクルーズフェリーとなった。5つ星にふさわしい質の高いサービスやホスピタリティを、サンスターラインとして提供していく」と話した。

 

新造船は今後、釜山―大阪間の定期航路に加え、韓国と日本の観光地を結ぶ不定期国際クルーズでの運航も計画している。現在、さまざまな航路を検討しており、韓国や日本の多くの地方自治体から寄港の要望を受けている。金会長は、「パンスターミラクルを通じて、より多くの地方自治体が活発に交流・協力し、新たな観光需要を創出して地域経済の活性化につながるよう、温かい支援とご声援をお願いしたい」と述べた。

 

パンスターグループはこれまで、三菱重工業が建造したフェリー「さんふらわあ くろしお」を購入、「パンスタードリーム」と命名し、2002年から23年間、日本―韓国間を運航してきた。今回、同船のリプレースとして、本格的な欧州のクルーズ船に劣らない豪華なインテリアと客室設備などを備えたクルーズフェリーを新造した。

 

写真左:大阪港に初入港した「パンスターミラクル」、写真右:初入港式典で鏡開きを行った

新造クルーズフェリー「パンスターミラクル」就航。金会長「船旅の概念変える」
新造クルーズフェリー「パンスターミラクル」就航。金会長「船旅の概念変える」
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