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ピースボートとノーベル平和センターが提携、船内で洋上特別展を開催

2025.04.23
外国船社

2025年4月22日、横浜港大さん橋に停泊中のピースボートの「パシフィック・ワールド」(7万4441トン、乗客定員2010人)船内にて、ピースボートとノルウェーノーベル平和センターがパートナーシップ協定を締結し、2024年ノーベル平和賞を受賞した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)の活動を紹介する特別展のオープニングセレモニーが行われた。

 

今回の提携は、ピースボートの「洋上での平和教育」をさらに深化させる取り組みの一環であり、船内にはノーベル平和センターとの共同による常設展示スペースが新たに設けられた。展示では、世界的な写真家集団「マグナム・フォト」に所属するアントワー・タガタ氏が撮影した被爆者のポートレートをはじめ、被団協の長年にわたる核廃絶の取り組みを伝える資料や映像が並ぶ。

 

セレモニーでは、ノーベル平和センターディレクターのキム・レクステン・グロネベリ氏、ピースボート共同代表の吉岡達也氏、日本被団協事務局次長の和田征子氏がそれぞれ登壇。核兵器のない世界を目指して尽力してきた被団協の功績と、この展示の意義を語った。

 

和田氏はあいさつで、展示されている被爆者の写真について「皆笑っていない。苦労に満ちた怒りの顔をしている。被爆者の思いを伝えるため『笑うな』という司令がある写真である」と説明し、被爆者の責任として、核を作った人間の責任として、声を上げ続けなければいけないと強調した。

 

続いてテープカットと記念撮影が行われ、和やかな雰囲気の中でセレモニーは進行。展示観覧では、ノーベル平和センターのキュレーターが来場者に向けて、展示の意図や内容について説明した。

 

この特別展は、23日出航する「ピースボートVoyage120」の航海を通じて、寄港地ごとに一般公開され、各地の市民と平和のメッセージを共有していく予定だ。時代と国境を超えて語り継がれるべき被爆者の声が、洋上から世界へと広がっていく。

 

写真は左から式典でのテープカットの様子、特別展で展示された写真の一部、横浜大さん橋に停泊中の「パシフィック・ワールド」

ピースボートとノーベル平和センターが提携、船内で洋上特別展を開催
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