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東京九州フェリー、初便出航
7月1日、東京九州フェリーは横須賀港・新港ふ頭と北九州港・新門司ふ頭を結ぶ新規フェリー航路を開設。横須賀からは「はまゆう」、北九州港からは「それいゆ」と新造フェリーが定刻に出航した。出航時は雨だったが、多くの乗客がデッキに出て紙テープ投げを行った。
乗船場所は横須賀港・新港ふ頭に新設された東京九州フェリー横須賀ターミナルで、最寄り駅は京浜急行の横須賀中央駅。そこから約1.2キロの距離で徒歩では15分ほどかかる。乗船には出港の60分前まで(ゴールデンウィーク・夏休み・年末年始は90分前)に乗船手続きをする必要がある。横須賀フェリーターミナル自体は、9時~24時(月~土)でオープンしている。日曜日は運休だがターミナル自体は9時~22時まで開いている。
1階の窓口で登場手続きを済ませると、徒歩乗船の場合は2階のロビーで待機。ロビーには軽食コーナーとスナックやドリンクやグッズを扱う売店があり、20時からオープンしている。売店の営業時間は23時、軽食コーナーはラストオーダーが21時半となっている。
乗船開始は22時30分、船室の種別に関わらず順次乗船する。乗船した「ツーリストA」は運賃1万2000円(繁忙期は1万8000円)。上下2段式のベッドで、入り口をロールカーテンで間仕切りできる。ベッドサイズは198×75センチ。頭上には室内灯とコンセント(最大1000W)、USB端子(Type-A 5V/2.4A)が配置されており、スマートフォンなどの充電も可能。ただし高めの位置にあり、長めのケーブルや延長タップがあれば使い勝手はよい。
そのほか貴重品ボックスや棚、洋服を掛けられる折りたたみのフックなどがある。空調用のダクトもあり、温度調整はできないものの、開閉は調整でき、ある程度室内の温度調節も可能だ。
客室はほかに2人~4人定員の各種個室もある。ウィズペットルームやドッグランスペースもあり、ペット連れにも対応する。
船内にも売店があり、ここでもスナックやドリンクのほか、土産などの購入が可能。支払いはクレジットカードや交通系ICカードなどキャッシュレスにも対応。ただしキャッシュレスでの支払いは売店のみで、レストランや自動販売機は非対応。天候次第では使用できない場合もあり、ある程度現金は必要だ。
レストランは朝食・ランチ・ディナーとそれぞれの営業時間が決まっている。感染防止対策のため、スペースに余裕をもたせた座席レイアウトで、乗客が多いと満席になることもある。初便乗船時の昼食は営業時間を延長して対応していた。オーダーは座席にセットされたタブレットを使い、メニューも豊富。人数限定の予約制でテラスでのバーベキューも提供している。
大浴場は6階にあり、屋外の露天風呂もあって十分な広さ。脱衣所のロッカー使用時には100円が必要(返却式)。感染予防対策のため大浴場のサウナは閉鎖していた。そのほかアミューズメントルームやスポーツルームなどのサービスも中止していた。
船内でのエンターテイメントとしては、スクリーンルームでプラネタリウム上映を行っていた。こちらも感染予防対策で事前の申し込みが必要で、人数限定のため初便は抽選となっていた。
通信に関しては、船内の窓側で通信キャリアの電波を拾うこともあるが、場所によっては難しい。船内Wi-Fiも提供されており、インターネットへの接続も無料。端末ごとに接続できる回数が決まっており、途切れていることもあったがウェブサイトやメールのチェック、SNSへの程度なら問題ない。インターネットへ接続していなくても、船内の各種情報や無料のまんが閲覧サービスは利用可能だ。
東京九州フェリーは、21時間と国内フェリーとしては長めの船旅だが、新造船ということもあり、快適に過ごせる設備が多い。初便は定刻通りに北九州港・新門司ふ頭に到着した。(文=中山智)
写真左から垂直船首が特徴の「はまゆう」、出航時のテープ投げのシーン、船内に設けられたフィットネスジム