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東京九州フェリー、露天風呂など船内公開
東京九州フェリーは横須賀港・新港ふ頭と北九州港・新門司ふ頭を結ぶ新規フェリー航路を7月1日に開設する。それに先立って報道向けの船内公開ならびに記者発表を実施した。
就航するのは、三菱造船で建造した新造フェリー「はまゆう」と「それいゆ」の2隻。総トン数は1万5515トン、搭載能力は旅客268名、トラック約154台、乗用車約30台。
はまゆうは、エントランスを入ると3層吹き抜けの空間が広がる構造で、日本のフェリーでは初めてのシースルーエレベーターを設置。この空間はスポットライトも当たるステージもあり、今後はイベントも行う。レストランは関東・九州の地元食材を使ったメニューを採用、後方にはバーベキューガーデンも設けた。注文はタブレットで行い、自動精算機で支払うことで、感染症の防止にもつなげる。
最上階には展望風呂やサウナに続いて露天風呂も設置。潮風を感じながら入浴することができる。プラネタリウムや映画を鑑賞できるスクリーンルームも備わり、クッションにもたれてくつろぐこともできる。
客室は専用テラス・バス・トイレ付きの2人定員のデラックスルームや4人定員でファミリー利用がしやすいステートルーム、ペットと同伴できるステートウィズペットルームなどの個室が設けられている。ツーリストクラスもベッド間に仕切りがあり、プライベート空間が確保されている。
空調に関しては、新鮮空気処理機を導入して外気を取り入れるほか、パブリックスペースなどに菌やウイルスを吸着するフィルターを設置。ツーリストAの船室には壁面や手すり、ロールカーテンに抗菌コートを実施している。
環境に配慮しているのも2隻の特徴。垂直船首を有する省エネ船型や近接2軸推進システムとバルブ付リアクション型舵を組み合わせた省エネ推進システム、各種省エネ機器を採用したことで、グループ会社である新日本海フェリーの従来船と比べ、約6パーセントの省エネを実現した。さらにSOx規制への対応策として、スクラバーを搭載している。
船内見学後の記者会見で、東京九州フェリーの入谷泰生会長は「今回の航路は東京から九州をデイリーで結ぶ航路で、高速性や定時性が特徴。急ぐ貨物をターゲットにし、海の高速道路として活用していただきたい」と述べた。加えて「船内設備も改良している。旅客のお客さまの船旅したいというご要望にも応えられる船」とした。旅客に向けて訴求したい点としては、「レストランは食事に力を入れているのはもちろん、従来はカフェテリアスタイルだったが、今回初めてテーブルサービスを採用した。また今回初めての試みとしてプラネタリウムを設置した。トライアルで乗船された方に好評だったのは、露天風呂。体を動かせるようにジムも設けている」と語った。
写真左から:はまゆうのエントランス、露天風呂、会見する入谷泰生会長(左)と小笠原朗社長